免疫チェックポイント阻害剤とは?
- 免疫チェックポイント阻害剤は免疫抑制機構の阻害によって患者の癌に対する免疫を活性化することで癌を治療する。腫瘍に対する反応を増強するようなT細胞の経路を標的としている(T細胞の活性化・増殖による治療)
- メラノーマ、肺癌、腎細胞癌、ホジキンリンパ腫、頭頸部癌、胃癌などに用いられる。
- モノクローナル抗体とは、単一の抗体産生細胞に由来するクローンから得られた抗体のことをいう。語尾に“マブ(-mab,Monoclonal AntiBodies)”がつく薬剤。
- 免疫チェックポイント阻害薬とモノクローナル抗体は異なる括りだが、ともに免疫系に作用する薬剤で、ほかの薬剤とは異なるパターンの薬剤性障害をきたす点が共通している。
- Ipilimumab(イピリムマブ)は抗ヒトCTLA-4(cytoxic T-lymphocyte antigen4)モノクローナル抗体 →CTLA-4が阻害されるとT細胞の活性化・増殖
- Nivolumab(ニボルマブ)、Pemberolizumab(ペムプロリズマブ)はPD-1(programmed cell death protein1)に対する抗体
- Durvalumab、Atezolizumab、AvelmabはPD-L1に対する抗体
- 薬剤性障害は従来の薬剤とは異なるパターンを示す。免疫を活性化するような薬剤であるため、炎症性脱髄や自己免疫疾患に類似する副所見や副反応が起こることがあり、irAE(:immuno-related adverse events)と呼ばれる。irAEとは要するに免疫チェックポイント阻害剤の使用で生じる薬剤性の障害の総称。
参考文献:頭部 画像診断の勘ドコロ NEO P242−P243