無セルロプラスミン血症(ACP:Acerulopasminemia)とは?
- NBIA(neurodegeneration with brain iron aacumulation)に含まれる神経変性疾患。
- セルロプラスミン遺伝子(銅・鉄代謝に関連)の異常により、脳内のみならず、肝臓、膵臓、中枢神経などの諸臓器に鉄が蓄積することで種々の臓器障害を生じる常染色体劣性遺伝の先天性鉄代謝異常症。
- 三主徴として、糖尿病(膵の鉄沈着に伴う)、網膜変性、中枢神経症状(認知症、不随意運動など)が挙げられる。
- 神経症状は出現せず、貧血と糖尿病だけを呈する症例も認められる。
無セルロプラスミン血症(ACP)の画像所見
- 鉄沈着の多い淡蒼球や黒質がT2強調像で低信号を示すが、視床や小脳歯状核、ときに大脳皮質までに広範に低信号が広がる。
- 皮質にも及ぶ場合脳表鉄沈着症にも似るが、基底核や視床にも広範に見られるので迷うことは少ない。
- 小脳萎縮がみられる。
- CTでは、尾状核、被殻、視床、歯状核に左右対称性の高吸収を認める。
- 大脳皮質がgradient echo法にて低信号を示す。(cortical pencil lining)
- 尾状核、被殻、視床に嚢胞形成がない。:神経フェリチン症(neuroferritinopathy)との鑑別
症例 60歳代女性
Current Opinion in Neurology 33(4):p 462-473, August 2020.
参考文献: