TAFRO症候群とは?
- 急性あるいは亜急性に、発熱、全身性浮腫、血小板減少、腎障害、貧血、臓器腫大などを伴う全身性炎症性疾患。
- TAFRO症候群とはThrombocytopenia(血小板減少)、Anasarca(全身性浮腫、胸腹水)、Fever(発熱)、Reticular fibrosis(骨髄線維化と巨核球の増勢)、Organomegaly(肝脾腫、リンパ節腫大などの臓器腫大)の頭文字を取ったもの。
- 2010年に高井らにより初の報告がされ、2015年に日本から診断基準が発表され、2019年には診断基準の改訂が成された。
- 臨床像、病理像のいくつかは特発性多中心性キャッスルマン病(idiopathic Multicentric Castleman disease(iMCD))様の像を呈するが、 TAFRO症候群の特有の所見もある。ただし、TAFRO症候群は急性〜亜急性に発症し、全身状態の悪化が急速であるため、早期診断および早期治療が必要。
TAFRO症候群の診断基準
- 必須項目
- 小項目
からなり、必須項目3項目および小項目2項目以上を満たす場合に診断される。
必須項目
- ①体液貯留(胸腹水、全身性浮腫)
- ②血小板減少(10万/μl以下、骨髄抑制治療は除く)
- ③原因不明の全身性発熱(37.5℃以上)または炎症反応陽性(CRP 2mg/dl以上)
小項目
- ①リンパ節生検でCastleman病様の所見
- ②骨髄検査で骨髄細網線維化and/or 骨髄巨核球増多
- ③軽度の臓器腫大(肝脾腫、リンパ節腫大)
- ④進行性の腎障害
TAFRO症候群の画像所見
- Anasarcaとしての所見:胸腹水や腸間膜・後腹膜の浮腫、心嚢水、periportal collar、胆嚢壁浮腫、皮下浮腫
- Organomegalyとしての所見:肝脾腫、腫瘤非形成性前縦隔腫大(matted appearance(mattedとは「もじゃもじゃの」の意))、リンパ節腫大
- 骨病変(Reticular fibrosisとしての所見よりも骨髄の造血髄化の所見と考えられる):びまん性のすりガラス状濃度上昇(骨髄濃度上昇)
参考文献:
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