ILAとは?

  • CTで偶然認められた軽微な間質性病変(肺間質の異常)で、interstitial lung abnormality(肺間質の異常)の略。
  • 荷重部陰影ではない異常影で、すりガラス影、網状影、肺のひずみ、牽引性気管支拡張、蜂巣肺、非気腫性嚢胞を含む。
  • 上中下肺野のいずれかの領域の5%以上の面積を占めるものと定義される。
  • 胸膜直下優位の分布で線維化の確証(牽引性気管支拡張や蜂巣肺)があると間質性病変が進行しやすいと言われている。
  • 頻度は喫煙者で4-9%、非喫煙者では2ー7%、日本のCT検診データでは8%。
  • 間質性肺炎が疑われていない個人が対象。なので例えば元々膠原病などがあって認めた場合にはILANG-ILANGという用語は用いない。
  • ILAがあると抗癌剤や免疫チェックポイント阻害薬による薬剤性肺炎や手術侵襲による急性増悪のリスクが上がる。

ILAのsubtype

  • type1:胸膜下に限らずすりガラス影、網状影を示すもの
  • type2:胸膜下に線維化を伴わないすりガラス影、網状影
  • type3:胸膜下の牽引性気管支拡張、構造改変、蜂巣肺といった線維化所見を持つもの
  • 数字が大きいほど予後不良。type3は2に比べて6倍進行しやすいと報告されている。

 

ILAではないもの

参考文献:

  • The Lancet Respiratory Medicine8:726-737,2020
  • 臨床放射線 2021:66:215-219

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