膝蓋骨軟骨軟化症(膝蓋軟骨軟化症)(chondromalacia patellae)
- 膝蓋骨の関節軟骨の変性・損傷。関節軟骨に限局した病変に用いる用語。(軟骨下嚢胞や軟骨下骨の骨硬化、骨棘形成や滑膜増殖を伴った場合は変形性関節症となり、軟骨軟化症とは区別する。)
- 膝蓋大腿関節の不安定性、膝蓋骨か関節面への繰り返す小さな外傷による。
- 二次性変化であり、若年者はスポーツ障害、中高年は変形性膝関節症や外傷に続発する。
- 比較的若年女性に多い。
- 内側関節面に好発する。
- 膝前面部の痛みを認め、屈曲時に増悪する。
- 急性の膝蓋骨軟骨軟化症は膝蓋骨高位に多く発症する。一方で慢性のものは膝蓋骨亜脱臼、Q角の増大、後縦靱帯損傷後、膝関節炎後、滑膜炎後に生じる。
膝蓋骨軟骨軟化症の分類のMRI画像所見
- 軟骨の信号上昇
- 軟骨の菲薄化、表面不整
膝蓋骨軟骨軟化症の分類(shahriaree分類)(内視鏡的)とMRI所見の対応
- Grade1:軟骨の軟化(softening)→MRIでは軟骨の高信号
- Grade2:軟骨分断、裂溝、水泡様腫脹(blister like swelling)→MRIでは軟骨の高信号と腫脹
- Grade3:軟骨分断、裂溝、潰瘍→MRIでは軟骨の表面不整、亀裂、欠損
- Grade4:軟骨下骨に及ぶ欠損、軟骨下骨の露出→MRIでは軟骨の全層欠損
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参考文献:
- 骨軟部疾患の画像診断 第2版 P84-85
- 膝MRI 第3版 P242−244
- 画像診断 Vol.35 No.11 臨時増刊号 2015 P78-81