脊髄損傷
- 脊髄損傷の好発部位は頚髄レベルで、神経学的にも頚髄損傷が最も問題となる。
- 中心部から両側性に挫傷を来す中心性脊髄損傷が最も多く、上肢に優位の運動麻痺や感覚障害を来す。
- 受傷直後には症状がなくても、時間が経過してから出現することがあるため、MRIによる経過観察が必要。
脊髄損傷の画像所見
- 画像診断はCTとMRIの両方を行う。
- CTでは骨折や骨の転位など脊椎外傷を中心に評価する。もともとの変形性脊椎症の程度も評価する。
- MRIではT2WIの観察が非常に重要で、矢状断像、病変中心部の横断像を撮像する。脊髄損傷部位は髄内の挫傷、血管性浮腫を反映して軽度高信号を示す。
症例 70歳代男性 転倒後 四肢運動機能障害あり、感覚障害あり。
C3〜7レベルで著明な脊柱管狭窄を認めています。
C3/4、C5レベルで脊髄に異常な高信号を認めており、脊髄損傷が疑われます。
また後咽頭間隙に浮腫or液貯留を疑う高信号を認めています。
緊急手術が施行され、除圧術後、著明な脊柱管狭窄および脊髄の異常な高信号は消失していることがわかります。
参考文献:すぐ役立つ救急のCT・MRI第2版 P333