子宮頸部(子宮頚部)のMRI画像解剖における正常解剖についてまとめました。
まずは動画を見ていただき、その後で記事を読んでいただくことでより頭に入ってくると思われます。
子宮頸部のMRI画像解剖(矢状断像)
いずれもT2強調像で解剖を見ていきます。
まずは子宮の全体像を観察できる矢状断像から見ていきましょう。
子宮はピンクの色がついている部分全体です。
子宮の前方には膀胱があり、膀胱と子宮の間には膀胱子宮窩があります。
一方、子宮の後方には直腸があり、直腸と膀胱の間には直腸子宮窩(Douglas窩)があります。
子宮は自由度の高い子宮体部と、周囲靱帯に支持されている子宮体部からなります。
おおまかに体部が2/3を占め、頸部が1/3を占めます。
子宮頸部が膣に開口する部位を外子宮口と呼ぶのに対して、子宮体部と頸部の境界を内子宮口と言います。
子宮頸部は尾側で腟に飛び出しており、この部位を子宮腟部といいます。
また子宮腟部が腟部で折り返すところを腟円蓋といい、後方を後腟円蓋、前方を前腟円蓋と呼びます。
子宮腟部は子宮頸部のうち、膣に飛び出ている部位ですので、上端は腟円蓋となります。
腟円蓋よりも上方で子宮体部との境界である内子宮口までを、腟上部といいます。
つまり、子宮頸部は、
- 腟部に出ていない:腟上部
- 腟部に出ている:腟部
に分けられるということです。
子宮頸部のMRI画像解剖(横断像)
横断像はシンプルです。
子宮頸部の外側に頚部間質を取り囲む子宮傍組織(基靱帯(深部子宮静脈))があります。
また、この傍組織への浸潤の有無の判断に重要なのが、T2強調像で低信号を示すStromal ringと呼ばれる部位です。
関連記事:子宮頸癌のFIGO2018進行期分類とMRI画像所見
また、子宮体部は自由度が高いけれど、子宮体部は靱帯に支持されているということでしたが、以下の様な靱帯に頸部は支持されています。
あくまでシェーマですので、イメージと思ってください。
まずは、先ほど述べた横方向への傍組織(基靱帯(深部子宮静脈))です。
また、膀胱との間では、膀胱子宮靱帯があり、後方の仙骨との間では、仙骨子宮靱帯があり、これらに支持されています。