感染性脳動脈瘤
- 頭蓋内動脈瘤の3-6%を占める。
- 多くは感染性心内膜炎より生じ、亜急性心内膜炎の3-15%に生じるとされる。
- 免疫抑制された患者(AIDSなど)に好発する。
- 感染性心内膜炎などにより敗血症性塞栓が動脈にできる→塞栓子が脳動脈に飛ぶ→脳動脈に微生物が浸潤することにより感染性脳動脈瘤を生じる。血管壁は脆弱になり、容易に破綻しうる。
- 感染性動脈瘤が破綻→くも膜下出血、脳実質内出血を来す。
- 通常の脳動脈瘤の好発部位よりも末梢に認めることが多い。
- 中でも中大脳動脈の遠位部に認めることが多く75-80%を占める。
- 20%が多発性に動脈瘤を生じる。
- 血管壁が脆弱であるため、外科的治療はリスクが高く、急性期には抗生剤治療が一般的。
感染性脳動脈瘤の画像所見
- 通常の嚢状動脈瘤よりも、紡錘状の形態や不整な形態を取ることが多い。
- 流速が遅い場合は、通常のMRAでは描出がむずかしいことがあり、その場合は、造影MRAやCTA、脳血管造影が必要となる。
- そもそも末梢であり、通常のMRAの撮像範囲内に入っていないことがあるので、広めに撮影する必要がある。
- 塞栓子が末梢に小さな皮質梗塞を起こした場合は、梗塞部位には微小出血を伴いT2*WIで低信号を来すことが多い。
参考文献:
- よく分かる脳MRI(第3版)P307
- ここまで分かる頭部救急のCT・MRI P374