直腸癌がどこに存在するかの境界の一つとして腹膜翻転部(読み方は「ふくまくほんてんぶ」)があります。

具体的には、

  • Ra(上部直腸):第2仙椎下縁の高さより腹膜反転部まで
  • Rb(下部直腸):腹膜反転部より恥骨直腸筋付着部上縁まで

と分類されます。

この腹膜翻転部はMRI画像で観察することができることがあります。

ただし、腹膜翻転部を観察しにくい症例やできない症例も割とあり、必ずしも観察できるわけではありません。

観察できる症例で見える症例ならどのように見えるのかを確認しておくことが大事です。

具体例を見ながら腹膜翻転部の画像をチェックしましょう。

腹膜翻転部の矢状断像での見え方

矢状断像では直腸前面から連続する3分岐状(三つ叉状)の線状構造として認めます。

同部に少量の腹水があればよりわかりやすくなります。

症例 90歳代 男性

腹膜翻転部は直腸前面から連続する3分岐状(三つ叉状)の線状構造として描出されています。

腹水貯留は認めません。

腹膜翻転部の横断像での見え方

横断像では、腹膜翻転部よりも口側(頭側)では直腸腹側の1/4周程度が漿膜に張り付いています。

腹膜翻転部では漿膜がU字orV字orY字状に変化します。

腹水があればよりわかりやすいです。

腹膜翻転部よりも肛門側(尾側)では、直腸前面の漿膜はなくなり、直腸の腹膜は子宮もしくは精嚢背側の漿膜とfusion fasciaを形成します。

直腸が腹側の漿膜に張り付いており、付着部はY字状を示しています。

腹膜翻転部の横断像での見え方

冠状断像では、腹側→背側と観察することでRa側の腹側の漿膜が観察され、翻転部を境に、子宮もしくは精嚢背側の漿膜と形成するfusion fasciaへと変化する様子を観察することができます。

直腸Raの腹側の漿膜が観察されます。

これを少し背側の断面にスライスするとちょうど翻転部を観察することができます。

直腸RaとRbの境界で翻転部に少し牽引される様子がわかります。

ここよりも背側では子宮もしくは精嚢背側の漿膜と形成するfusion fasciaへと変化します。

関連:直腸癌のMRI画像診断で知っておくべき周囲の筋肉(恥骨直腸筋、肛門挙筋)の解剖

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