胸部レントゲンで心臓の周りの脂肪により陰影(心陰影)が見えにくくなることがあります。

肺炎や肺腫瘍が存在していないのにあたかも存在しているかのように見えることもあります。

これを心膜外脂肪塊(pericardial fat pad)と言います。

この心膜外脂肪塊とはどこに存在してどのような画像を形成するのかについてまとめました。

心膜外脂肪塊(pericardial fat pad)とは?

左右の心膜横隔膜部の縦隔脂肪による陰影を心膜外脂肪塊といいます。

この脂肪は、縦隔胸膜と心外膜との間の縦隔に沈着したもので、正常変異です。

つまりこの脂肪自体は異常ではないということです。

ただし、異常ではないこの脂肪が胸部レントゲンで左右で心臓と横隔膜の交差部位あたりが不明瞭で右第2弓、左第4弓が追いにくくなる(シルエットサインが陽性となる)ことがあります。

胸部レントゲンで典型的な所見である場合は、CT検査まですることは少ないですが、臨床的に肺炎や肺腫瘍などが疑われる場合にはCTによる精査が行われることがあります。

心臓の周りの脂肪組織についてはこちらで詳しくまとめました。→【保存版】心膜の構造の解剖は?心膜腔とは?イラストでわかりやすく!

心膜外脂肪塊の画像所見は?

 

pericardialfat7

  • 胸部X線正面像では、心横隔膜の上部で左心縁、時に右心縁が不明瞭となる。
  • 陰影は脂肪組織であるためにやや淡い。
  • 時には壊死化したり塊状に増生し腫瘤様にみえることもある。
症例 70歳代男性 発熱、血痰

baseに間質性肺炎があるのでいろいろ所見がありますが、左の第4弓を途中から追うことができません。

また右の第2弓も不明瞭で心膜横隔膜部が不明瞭となっています。

このように心陰影が消えてしまうことをシルエットサイン陽性といい、心陰影を形成する構造物に接して何か(肺炎や肺腫瘍など)が存在していることを示唆するサインです。

では、何が存在しているのでしょうか?

正体をチェックするにはCTが有用です。

それが、今回の心膜外脂肪だということです。

すなわり心膜外脂肪が心臓と接しているため、本来の心臓との接線(上の図だと左室)を形成できないためシルエット陽性となっているということです。

 

参考:画像診断 Vol.31 No.12 2011 P1141-1153

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