PRES(posterior reversible encephalopathy syndrome:可逆性後部白質脳症症候群)とは?
■疫学 |
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■症状 |
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■原因 | 高血圧性脳症の他、前子癇/子癇、免疫抑制剤(シクロスポリン、タクロリムス)、腎血管性高血圧、尿毒症性脳症、HUS、TTP、インターフェロンアフラなどの薬剤、低Na血症、高Ca血症、移植後、感染、敗血症、ショック、偏頭痛、腎不全・透析、自己免疫疾患/膠原病(NMO、GBSなども)、内分泌疾患、低Mg血症、Triple H therapy、Tumorlysis syndrome、過酸化水素、dimethyl sulfide stem cell、外傷・熱傷・手術、ポルフィリンなど。 |
PRESの画像所見は?
画像所見 | ||
MRI |
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MRI | T2WI | DWI |
後頭葉優位の皮質下白質や基底核を中心に高信号域を認める。左右対称分布が多く、出血や増強効果を伴いうる。 | 等信号。高信号を呈することがあるが、T2 shine throughによるもの。ADCは上昇(血管性浮腫であるため)。 |
・MRAで一過性の狭窄像が描出される可能性あり。
PRESの3つの分布のパターン(Bartynskiら)
- holohemispheric watershed pattern:血管枝配域に沿った分布を示すタイプ。
- superior frontal sulcus pattern:1)に似るが、より上前頭回の障害が目立つタイプ。
- dominant parieto-occipital pattern:古典的な頭頂後頭葉の皮質・皮質下が障害されるタイプ。
・これらの3タイプの発生頻度は20%程度でほぼ同じ。他、基底核、脳幹部、大脳深部白質、脳梁にも病変が生じる(それぞれ10%程度)。
動画で学ぶPRES(高血圧による)
FLAIRで小脳半球、右側後頭葉の皮質〜皮質下白質に高信号あり。DWIは異常なし。ADCは上昇する。
典型的なPRES。(降圧により症状軽快、MRで消失)
▶キー画像
DWIでは等信号ですが、T2WIで小脳半球に淡い高信号を認めています。
ADCでは信号の上昇を認めており、血管性浮腫を示唆する所見です。
FLAIRでもT2WIと同様に高信号を認めています。
高血圧によるPRESと診断され、高血圧が加療されました。
するとT2WIおよびFLAIRで認めた高信号は消失しており、可逆性の浮腫であったことがわかります。
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