細胞性浮腫と血管性浮腫とは?
正常ではこのように、細胞の間を水は移動しています。
細胞性浮腫が起こると
細胞性浮腫が起こるとこのように
- 細胞が膨張し、
- 細胞間隙が狭くなり、
- 拡散低下します。
つまり、DWIにて高信号を示し、ADCは信号低下します。
- 脳梗塞(超急性期)
- 活動性炎症(超急性期)
では、この現象が起こります。
関連記事)脳MRIでDWI(拡散強調像)で高信号を見たときの鑑別診断は?
血管性浮腫が起こると
血管性浮腫が起こるとこのように、
- 血管透過性が亢進し、
- 細胞間隙は広くなり、
- 拡散上昇を来します。
つまり、ADCは上昇します。
- PRES
- 静脈のうっ滞
では、この現象が起こります。
急性発症の神経症状を有し、脳MRIを撮影し、DWI で高信号、ADC低下 、T2WI で所見なし、ならば、
細胞性浮腫を反映。非可逆的なことが多い。
例)
- 脳梗塞超急性期
- 活動性炎症超急性期
DWI で所見なし、ADC上昇 、T2WI で高信号ならば、
血管性浮腫を反映。可逆的なことがある。
例)
- PRES
- 静脈うっ滞→静脈性浮腫
ADCとは
- apparent diffusion coefficientの略。単位は10-3m㎡/sec。
- 微小灌流や軸索流などの微視的運動つまり、純粋な拡散以外の因子が含まれるので、「見かけの=apparent」と呼ぶ。
- b値(傾斜磁場の強さ)を最低2つ設定して(多くはb=0と1000)計算される値。
- 2000や3000などの高いb値を用いればT2 shine throughの影響が減少する。b値が短いほどT2の影響を受ける。