脳のMRAの画像を見ていると、主幹動脈に穴が開いているように見えることがあり、これを窓形成(fenestration、読み方はフェネストレーション)と呼びます。
中でも頻度が多いのが脳底動脈です。
今回は、脳底動脈の窓形成について軽くまとめました。
脳底動脈の窓形成のポイント1)2)
- 脳底動脈は2本の縦走神経動脈(Longitudinal neural artery)という原始動脈が癒合して形成される。
- 窓形成(fenestration)はこの2本の動脈の中膜の癒合が不完全な領域に発生する。
- 窓形成は脳底動脈の近位部に多いとされるが、それは癒合は遠位から起こるからと考えられている。
- 窓形成部は前下小脳動脈の分岐部を含む傾向にある。
- 窓形成部に動脈瘤が発生することがある。
もちろんMRAのみでなく脳血管造影やCTAなどでもこの窓形成は確認できます。
症例 50歳代男性
脳底動脈の近位部に穴が開いているように見えます。
これが窓形成です。
症例 60歳代男性
こちらの症例も先ほどと同じように脳底動脈の近位部に窓形成を認めています。
また窓形成部から両側の前下小脳動脈(AICA)が分岐している様子がわかります。
- 前下小脳動脈の分岐部を含む傾向にある。
ということがよくわかりますね。
症例 60歳代男性
こちらの症例も先ほどと同じように脳底動脈の近位部に窓形成を認めています。
また窓形成部から右側の前下小脳動脈(AICA)が分岐している様子がわかります。
参考文献:
1)知っておきたい頸部~頭部動脈破格 MRAとCTAの読影が楽しくなる! P140-146
2)ケースレビュー脳の画像診断 P176