子宮動脈は内腸骨動脈から分岐する動脈です。

  • 子宮筋腫に対する子宮動脈塞栓術(UAE:Uterine Artery Embolization)
  • 子宮頚癌に対する動注療法

などでカテーテルを用いた血管造影で選択される血管です。

今回は子宮動脈の解剖・走行についてまとめました。

内腸骨動脈・子宮動脈の解剖・走行

子宮動脈を同定するには、まず内腸骨動脈(Internal iliac artery)の解剖を理解する必要があります。

内腸骨動脈は以下のように、分枝パターンがあります。

骨盤血管解剖:肉眼解剖と画像より引用

上の図の解剖名は以下の通りです。

  • Eia(External Iliac Artery):外腸骨動脈
  • UL(medial umbilical ligament ):臍動脈索、臍動脈
  • Sga(superior gluteal artery):上殿動脈
  • Iga(Inferior gluteal artery):下殿動脈
  • Ipa(Internal pudendal artery):内陰部動脈

さらに、

内腸骨動脈の臓側枝の解剖の図・イラスト

内腸骨動脈の臓側枝は,臍動脈と内陰部動脈とがなす角から骨盤内臓器を見下ろすように分布する。

血管解剖:肉眼解剖と画像より引用

 

上の1−4は、

  • 1:上膀胱動脈
  • 2:精管動脈(男性)子宮動脈(女性)
  • 3:下膀胱動脈,腟動脈(女性)
  • 4:中直腸動脈

をそれぞれ指します。

つまり、子宮動脈は、内腸骨動脈が上殿動脈を分枝したあとの血管から下に向かって分枝することがわかります。

CTAの3D再構成画像です。

症例 30歳台女性

内腸骨動脈の分枝・子宮動脈の解剖のCTAの画像

血管に色をつけると次のようになります。

内腸骨動脈の分枝・子宮動脈の解剖のCTAの画像

 

内腸骨動脈から上殿動脈が後ろ側に分岐したあと、子宮動脈が下内側に向かって走行しているのがわかります。

カテーテル操作における子宮動脈へのアプローチ

5Frショートシースを使う。

親カテは5Frシェファードフックで対側の総腸骨動脈を選択し、ガイドワイヤーを外腸骨動脈に入れる。

その形を保ったまま、5Frモーリー(毛利)にカテ交換。

モーリー(毛利)カテーテルの使い方の解説イラスト

モーリーは大動脈まで押上げ、クロスさせたりさせなかったりして引いてくることで、先端の向きを変えて、左右の総腸骨動脈や内外腸骨動脈に入れることができる。

モーリーの先端は前を向いているので、クロスさせない状態で引くと、腹側に入る。逆にクロスして引くと背側に入る。

  • 外腸骨動脈、子宮動脈→腹側
  • 内腸骨動脈、上殿動脈→背側

にそれぞれ分岐する。

そのため、子宮動脈に入れるには、総腸骨動脈で背側に向けて(クロスさせた状態で)、まず内腸骨動脈に入れる。

モーリー(毛利)カテーテルの使い方の解説イラスト

その後、内腸骨動脈で腹側に向けて(クロスをとった状態で)、子宮動脈に入れる。

同側も同様。

症例 20歳台女性 子宮頚癌で動注療法

右鼠径部より5Frショートシース挿入。

5Frシェファードフックを対側(左側)の総腸骨動脈にかけ、ガイドワイヤーを左外腸骨動脈まで進め、留置したままカテ交換。

5Frシェファードフックから5Frモーリーに交換。

その際の透視画像。

左側の画像は、5Frモーリーの先端が左総腸骨動脈にある。

ここから先端を内に向け(クロスし)引いてくると内腸骨動脈に先端が入る。(右画像)

この場所で造影をすると、内腸骨動脈、上殿動脈、子宮動脈が描出され、内腸骨動脈に先端があることが確認できる。

続いて対側。

5Frモーリーを押して、腹部大動脈へ先端を持ってくる。

 

そこから先端を右側に向けて引いてくると、右の総腸骨動脈に入る。

そこから先端を内側に向け(クロスし)引いてくると、先端が内腸骨動脈に入る。(上の画像)

この場所で造影をすると、内腸骨動脈、上殿動脈、子宮動脈が描出され、内腸骨動脈に先端があることが確認できる。

 

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