目次
肝内血管短絡
・肝内血管短絡には
- APシャント(動脈門脈短路)
- AVシャント(動脈静脈短路)
- PVシャント(門脈静脈短路)
がある。
APシャント(動脈門脈短路)
- 悪性腫瘍でよく認められる所見で、中でも肝細胞癌で最もよく認められる。
- ただし、血管腫などの良性腫瘍や、正常肝においてなんらかの原因で、生理的に認められることがあり、必ずしも病的とは言えない。
参考)肝血管腫の画像診断
AVシャント(動脈静脈短路)
- 多くは二次性に認められる。
- しかし、Rendu-Osler-Weber病のように先天的に多発して認められることもある。
- AVシャントが著明であると、心不全に陥ることがある。
PVシャント(門脈静脈短路)
- 先天的に正常肝に多発して見られる場合と、肝硬変などの門脈圧亢進に伴う後天的に認められる場合がある。
- 肝内で門脈と体循環大静脈系が交通するため、肝性脳症の原因となることがある。
- 造影CTで比較的早期に門脈→静脈への連続性が描出されれば診断できる。ただし、血管腫と紛らわしいことがある。
症例 57 歳の男性
C 型肝炎で通院中に難治性肝性脳症を発症。脾動脈造影の静脈相を示す。
2007年放射線科診断専門医試験問題43より引用
脾静脈→下腸間膜静脈→静脈瘤→下大静脈へとシャント形成がされている。(meso-caval shunt)。肝性脳症を引き起こしている原因と考えられる。
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