Fallot四徴症(tetralogy of Fallot)
- 心室中隔欠損(VSD)
- 肺動脈流出路狭窄(PS)
- 大動脈騎乗
- 右室肥大(RVH)
・上記4徴候だが、本質は肺動脈狭窄症と心室中隔欠損の2つ。
・全先天性心疾患の10%を占め、VSD、ASDに次いで多い。
・チアノーゼ型心疾患の原因として最多。
・多因子遺伝、DiGeorge症候群に合併する。
・症状は、生後2-3ヶ月頃からチアノーゼ、6ヶ月頃から低酸素発作(hypoxic spell)、1歳ころからばち指を認める。また、歩行中や軽い運動でしゃがみこむ蹲踞(そんきょ)squattingを認める。
・合併症としては、多血症に伴う脳血栓、奇異性塞栓による脳膿瘍。他、感染性心内膜炎や、腎機能障害がある。うっ血性心不全は少ない。
・聴診にて胸骨左縁上部にPSに伴う収縮期雑雑音を聴取。Ⅱ音は単一で亢進する。
・治療はチアノーゼ発作予防にβブロッカー。無酸素発作にはモルヒネや塩酸ペチジン。肺動脈狭窄が高度な例では動脈管開存が生存に不可欠であり、プロスタグランジンE1(PGE1)の投与。
・手術は姑息手術としてBlalock-Taussig手術、Waterston手術。根治手術として、2-3歳以降にVSD閉鎖、PSの解除が行われる。
Fallot四徴症の画像診断
・胸部X線にて左第2弓が陥凹をし、右室には圧負荷が加わって求心性に肥大し、心尖部が横陥膜の上に登場するので、左第4弓は丸みを帯びて突出する。木靴心(coeur en sabot)と呼ばれる。
・心エコーでは、大動脈が右室に騎乗している様子が見える。