足底線維腫症(plantar fibroma)とは?
・線維腫症の一つ。線維腫症の中でも表在性に分類される。
・膠原線維を含む線維芽細胞、筋線維芽細胞からなり、足底への浸潤性増殖を伴う。
・無症状で腫瘤を触知することのみが多いが、時に歩行時痛など痛みあり。
・多彩な年齢層に起こる。若年成人に多い。
・サイズの増大は緩徐で一般に腫瘤はサイズが小さい。
・両側性に発生するのが2割程度、多発性が3割程度に起こる。
・治療は切除術。ただし局所再発が50%程度で起こる。
足底線維腫症のMRI画像診断
・足部の腫瘤で、足底腱膜の内側寄りに紡錘状の腫瘤として認め、T2WIにて低信号を呈する。T1WIで低信号、脂肪抑制T2WI、STIRにて中心部に軽度高信号を認めることが多い。
・ただし、サイズが大きくなればT2WIにて高信号と低信号が混在することあり。
・造影効果は約半数に認める。
T2WIで低信号を示す軟部腫瘤の鑑別
・T2WIで低信号を示す場合は、石灰化、ヘモジデリン、線維成分を考える。
- 石灰化:痛風結節、異栄養性石灰化
- ヘモジデリン:腱鞘巨細胞腫、PVNS、血腫
- 線維(場所が特徴的):足底線維腫症、腱鞘巨細胞腫、弾性線維腫
- 線維(場所が非特異的):線維腫、デスモイド、平滑筋腫、線維肉腫
足底腱膜に異常をきたしうる疾患
- 足底線維腫症
- 足底腱膜炎
- 関節リウマチ
- 血清陰性脊椎関節症
- 痛風
- 足底腱膜断裂
- 足底黄色腫