激痛ともいわれる尿管結石ですが、痛みをやわらげる方法にはどのようなものがあるかをまとめてみました。

先に結論:尿管結石の痛みをやわらげるには

  • 痛み止め:尿管結石の痛みには、炎症を抑えるNSAIDs(ロキソプロフェン=ロキソニン®、ジクロフェナク=ボルタレン®など)が最も効くとされます。市販薬を使うときは添付文書の用法・用量を守り、腎臓の病気・胃潰瘍・喘息がある人、妊娠中の人は使う前に医師・薬剤師に相談してください
  • 薬以外:痛む側の背中を温める、指圧するとやわらぐことがあります
  • ロキソニンが効かない・痛みが続くときは我慢せず受診を。医療機関では坐薬や注射・点滴の痛み止めが使えます。結石が大きい、詰まりが強い、感染を起こしている、そもそも結石以外の病気、ということもあります

※すぐに救急を受診すべきサイン:38℃以上の発熱や寒気(結石で詰まった腎臓の感染は命にかかわることがあります)、尿がほとんど出ない、吐いて薬が飲めない、痛み止めを使っても耐えられない痛み。

尿管結石に効く痛み止めは?


何と言ってもまずは薬に頼りたいところです。
尿管結石の痛みは、尿管の蠕動によるものもありますが、炎症の関与が大きいといわれています。

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王道はボルタレン®坐薬

したがって抗炎症薬が最も効きます。
尿管結石だとわかったらまずNSAIDsの坐薬(ボルタレン®坐薬など)を用います。50研究・5,734人を対象としたコクランレビューでも、NSAIDsはプラセボや鎮痙薬(ブスコパン®など)より痛みを有意に軽くし、追加の痛み止めが必要になる人も少ないことが示されています。
医療機関では、ジクロフェナク(ボルタレン®)坐薬が体格などに合わせた量で使われます。

同じNSAIDsならロキソニンなどの飲み薬でもOKです。
尿管結石の場合、嘔気を伴うこともあり、飲めないことも多いので、医療現場では、ボルタレン坐薬が第一選択となることが多いです。

抗コリン薬は?

ブスコパン®などの抗コリン薬は、尿管の蠕動を抑えて、効果的なのではと思われることもありますが、鎮痛効果はNSAIDsに劣り、NSAIDsに上乗せしても痛みの改善は増えないと報告されています。

ペンタゾシンなどの注射薬は?

ソセゴン®、ペンタジン®(ペンタゾシン)などの鎮痛薬の注射も使われることがありますが、やはり第一選択はボルタレンなどNSAIDSです。

ただ、これらは医療現場でないと用いることができませんので、自宅で痛みを取りたいという場合、手持ちの薬でという場合は、やはりロキソニンやボルタレンが最も効くということになります。

医療現場で使う場合にも、まずボルタレン坐薬を用いて、それでも効果がないときに、使う場合が多いです。

これらは医療機関で使う注射薬です。

ロキソニン・ボルタレンが効かないときは?

NSAIDsでも効かない理由として、次のようなものがあります。

  • 結石が大きい・高い位置にある:CTで調べた172例の報告では、自然に出た割合は2〜4mmの結石で76%、9mmを超えると25%で、尿管の上のほうの結石(48%)は膀胱に近い結石(79%)より出にくくなっていました(Coll 2002)。出にくい結石ほど詰まりが続き、痛みもくり返しやすくなります。
  • 感染や別の病気:発熱を伴う場合や、尿管結石と診断されていない場合は、別の原因の可能性もあります。

医療機関では注射や点滴の痛み止めも使えます。救急外来の1,645人のランダム化試験では、30分後に痛みが半分以下になった割合は、ジクロフェナク筋肉注射68%、アセトアミノフェン点滴66%、モルヒネ点滴61%でした(Pathan 2016)。

市販薬で様子をみてよいのは、尿管結石と診断されていて、熱がなく、痛みがおさまる場合までです。市販の痛み止めが効かない痛みは、受診のサインと考えてください。

薬以外で尿管結石の痛みを和らげる方法は?

massage大きく、加温と指圧があります。
(上の写真はあくまでイメージです。)

温める!

背中の痛みのある側を、温めると痛みが和らぐという報告があります(J Urol,170(3):741-744,2003)。救急搬送中の100人の研究で、おなかと腰を42℃で温めると痛みのスコアが82.7から36.3(100mm目盛り)に下がり、吐き気も軽くなりました(Kober 2003)。

カイロや、お湯で濡らしたタオルなどを痛いところに置いてみるのも効果的かもしれません。ただし長く当てると低温やけどの心配があるので、ときどき位置をずらしてください。

楽な体勢は?

痛みを軽くすると確かめられた体勢はありません。横になる・丸くなる・歩き回るなど、本人がいちばん楽な姿勢でかまいません。

指圧する!

まず痛みのある人にうつぶせになってもらいます。
術者は両手の親指のみを突き出して(親指以外はグーの状態)、痛みのある部位をヘソに向かって斜めに指圧します。

10~15秒指圧→休憩→再び10~15秒指圧を繰り返します。

坐薬が効きにくい場合や、痛みの訴えがあまりに強い人には、この方法で指圧をして、実際何人も効きました。

ぜひお試しください。

最後に

尿管結石の痛みを和らげる方法についてまとめました。
大事な前提として、尿管結石と診断されていることが挙げられます。

背中や腰の痛みを伴う疾患は尿管結石以外にも多数ありますので、尿管結石の既往がある場合、尿管結石があるとわかっている場合に、上にあげた方法を試してください。

痛みが強い場合や、引かない場合、尿管結石と診断されていない場合は、まずは医療機関を受診するようにして下さい。

参考文献)ステップビヨンドレジデント 3 外傷・外科診療のツボ編 P195-197

  1. Afshar K, Jafari S, Marks AJ, et al. Nonsteroidal anti-inflammatory drugs (NSAIDs) and non-opioids for acute renal colic. Cochrane Database Syst Rev. 2015;(6):CD006027. PubMed
  2. Pathan SA, Mitra B, Straney LD, et al. Delivering safe and effective analgesia for management of renal colic in the emergency department: a double-blind, multigroup, randomised controlled trial. Lancet. 2016;387(10032):1999-2007. PubMed
  3. Holdgate A, Oh CM. Is there a role for antimuscarinics in renal colic? A randomized controlled trial. J Urol. 2005;174(2):572-575. PubMed
  4. Coll DM, Varanelli MJ, Smith RC. Relationship of spontaneous passage of ureteral calculi to stone size and location as revealed by unenhanced helical CT. AJR Am J Roentgenol. 2002;178(1):101-3. PubMed
  5. Kober A, Dobrovits M, Djavan B, et al. Local active warming: an effective treatment for pain, anxiety and nausea caused by renal colic. J Urol. 2003;170(3):741-4. PubMed

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