前腸性嚢胞(ciliated hepatic foregut cyst)
- 発生期に前腸を覆う絨毛上皮の遺残によるもの。気管支原性嚢胞と同様の疾患。
- 肝左葉内側区(S4)を中心とする肝表に好発する。肝表から膨隆することあり。
- 肝内に発生する唯一の線毛性嚢胞。
- 内部には粘稠度の高いムチンを有する。
- 症状は認めず、各種画像検査で偶然見つかることが多い。
- 嚢胞内部はさまざまな信号パターンを呈し、まれに出血を伴い、T1WIにて高信号のものもある。
- 通常5cm以下。
- 単純CTで内部のムチンを反映して通常の嚢胞より高吸収を呈する。
- MRIでは、内容物を反映してT1WIにて低〜等〜高信号、T2WIでは高信号として描出されることが多い。
単純性肝嚢胞にしてはやや低吸収が目立たないというのがCTでは重要です。
症例 60歳代男性

肝S4辺縁より突出する、やや濃度の高い嚢胞性病変あり。
前腸性嚢胞(ciliated hepatic foregut cyst)が疑われます。
症例 70歳代男性

引用:radiopedia
S4辺縁にCTで淡い低吸収腫瘤を認めています。脂肪抑制T1WIT1では肝実質と等信号でT2WIで液体信号を示し、嚢胞性病変に合致します。
内部に内容物を示唆する軽度の層状変化(液面形成のような所見)を伴い、前腸性嚢胞(ciliated hepatic foregut cyst)が疑われます。
関連記事:【保存版】肝嚢胞とは?原因、画像、症状、治療の徹底まとめ!
参考文献:肝胆膵の画像診断―CT・MRIを中心に P178-179
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