アミオダロン肝(amiodarone-induced liver damage)
- アミオダロンは抗不整脈薬の1つ。Na,K,Caチャネル遮断作用に加えてβ受容体遮断作用を併せ持つ複雑な薬物。上室性/心室性を問わず頻拍性不整脈に対する第1選択。
- 非常に高い脂溶性と分布容積の大きさのため”amiodaronization”とも呼ばれる煩雑な投与手順が必要。
- 主として、脂肪組織、肺、膵、肝、心、腎などに蓄積される。
- アミオダロンはヨードを含有しているため、肝に溜まると高吸収を呈する。
- また脂肪肝炎を起こすことがあるが、この場合吸収値を下げるため、画像上は指摘困難。
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症例 60歳代女性 アミオダロン常用
肝臓はびまん性の高吸収を認めています。
CT値は平均100HUと高値を認めており、アミオダロン服用からアミオダロン肝を疑う所見です。
症例 70歳代女性 アミオダロン常用
肝臓はびまん性の高吸収を認めています。
CT値は平均101HUと高値を認めており、アミオダロン服用からアミオダロン肝を疑う所見です。
参考)肝胆膵の画像診断 P254-255