門脈栓の原因
・特発性血栓、続発性血栓、腫瘍栓に分けられる。
続発性血栓
・肝実質性病変:肝硬変、日本住血吸虫症など)、
・医原性:PTP、TIPS、肝移植、胆道手術、静脈瘤塞栓硬化術、脾摘術など
・血液疾患:真性多血症、血小板増加症、蛋白質C,S欠損症、抗トロンビンⅢ欠損症、骨髄線維症など。
・消化管炎症性病変:膿瘍、潰瘍性大腸炎、クローン病、虫垂炎、憩室炎など。
・外傷、膵炎、脱水、敗血症など。
腫瘍栓
・肝細胞癌が圧倒的に多い。他、胃癌、胆管癌、膵癌など。
・肝静脈に広範な腫瘍栓を形成するとBudd-Chiari症候群を示す。
・腫瘍栓とはいうが、本質は門脈浸潤による血管内腫瘍発育。
・肝細胞癌やAFP産生胃癌のようなhypervascularな腫瘍の腫瘍栓は動脈相で濃染する。単なる血栓は造影後に濃度上昇を示さない。
・新しい血栓や出血性腫瘍栓の場合には、単純CTにて高吸収となる。
症例 胃癌の肝転移の門脈腫瘍栓
(K先生による提供)