正常卵巣

  • 骨盤MRI画像で正常卵巣を同定することは、病変があったときに卵巣由来でないと判断する上でも重要である。
  • 特に生殖可能年齢では両側卵巣の同定を試みる必要がある。
  • 年齢、性周期で卵巣の性状は変化する。
  • 生殖可能年齢ではT2強調像で同定可能である(卵胞が高信号になるので)。
  • 初経前・閉経後は特に同定困難である。
  • 生殖可能年齢では月経期と黄体期で見え方が異なる(T2WI、DWI)

生殖可能年齢の月経周期に伴う正常卵巣のMR画像の変化

  • 増殖期(卵胞期)は血流に富んだ浮腫状の間質のT2延長により、T2強調像・拡散強調像にて高信号。
  • 月経期は縮小し、水分量の低下によりT2強調像・拡散強調像にて信号低下。卵胞も小さい、DWIも光りにくい。
  • 最大径5cmくらいまで正常範囲内ともいわれるが、サイズは10cmや12cmの場合もある。
  • 月経周期の女性で単房性で壁が薄くて充実部のない嚢胞は2月経周期は少なくとも経過を見ることが大事。

正常卵巣(閉経後)

  • 卵巣は1/2以下のサイズに縮小する。
  • 卵胞は白体に置換され、T2強調像にて内部は均一な中等度の信号を呈する。
  • 拡散強調像でも信号低下。
  • 時に表層上皮封入嚢胞が卵胞様の小嚢胞として描出。卵胞とは異なり、ホルモン刺激などの反応はない。※閉経後の嚢胞は卵胞ではなく、封入嚢胞。あれば卵巣が見つかりやすい。癌化することもある。

正常卵巣の同定のポイント

  • 見つからないときは、多方向からの観察をする。
  • DWIにて高信号を呈するので、見つかりにくいときはDWIをチェックする。
症例 30歳代女性

normalovary

T2強調像にて一部高信号を呈する両側卵巣を同定できますが、DWIではより明瞭です。

 

卵巣機能性嚢胞

  • 排卵に伴う貯留嚢胞であり、閉経後は認めない。
  • 数週間〜数ヶ月で縮小〜消失。
    (復習:卵巣内の成熟卵胞が破裂して卵子を出す。)

下記の2種類に分けられる。

卵胞嚢胞

  • 排卵時に卵胞が破裂せずに残ったもの。薄い壁。

黄体嚢胞

  • 排卵後に破裂した卵胞壁が修復して嚢胞化したもの。通常は3〜4cmまでで自然に消退する。
  • 黄体嚢胞は豊富な新生血管の増生により出血を来しやすい状態であり、破綻すると大量の出血によりショック状態に陥ることもある(卵巣出血(黄体出血))。
  • 画像所見としては、破裂すると嚢胞壁の断裂・緊満感の欠如。造影にて嚢胞壁はやや厚く濃染
症例 40歳代女性

corpus luteum cyst1

子宮右側に造影にて嚢胞壁はやや厚く濃染される嚢胞あり。

黄体のう胞を疑う所見です。

症例 30歳代女性

corpus luteum cyst2

子宮左側に造影にて嚢胞壁はやや厚く濃染される嚢胞あり。

黄体のう胞を疑う所見です。

卵巣と鑑別を要することがある疾患

  • 子宮筋腫、子宮肉腫
  • 腹膜病変
  • 腸間膜・腸管由来-間葉系腫瘍
  • 後腹膜由来-筋腫、間葉系腫瘍

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