先に結論:歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)

  • DRPLA(読み方:しじょうかく・せきかく・たんそうきゅう・るいたい・いしゅくしょう)は日本に多い常染色体優性の遺伝性脊髄小脳変性症で、CAGリピートの伸長が原因です。親から子へ伝わるほど発症が早く重くなる(表現促進)のが特徴です
  • 若年発症ではミオクローヌスてんかんと知的障害、成人発症では小脳失調・舞踏運動・認知症が主な症状です
  • MRIでは小脳と脳幹(特に橋・中脳の被蓋)の萎縮に加え、成人発症例で大脳白質の広いT2高信号が見られるのが特徴です
  • 病名は歯状核(小脳)・赤核(中脳)・淡蒼球・ルイ体(視床下核)の4つの神経核に由来します

歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症

  • 常染色体優性遺伝性脊髄小脳変性症の一つで、日本ではSCA6やSCA3(Machado-Joseph病)より頻度は低い(北海道113家系の検討で5家系)。
  • 常染色体優性を示すトリプレットリピート病の1つ。
  • 第12染色体短腕(12p13)のATN1遺伝子に存在するCAGリピートの異常伸長による(Carroll 2018)。日本人での発生は100万人あたり2〜7人とされる(Carroll 2018)。
  • リピートの伸長が長いほど発症が早く、症状も重くなる傾向がある(表現促進)(Tsuji 2000)。
  • 歯状核赤核系と淡蒼球ルイ体系を中心に変性あり。
  • 発症年齢により、乳児型、若年型、早期成人型、遅発成人型に分けられる。
  • 病型により症状は異なる。
  • 20歳未満の発症ならば、ミオクローヌスてんかんと知能障害が主体で軽度-中等度の小脳症状あり。
  • 20歳以上の発症ならば、小脳失調・認知機能障害・舞踏アテトーゼが主体となる(Carroll 2018)。

画像所見

  • 小脳・脳幹がそれぞれの形を保ちつつ全体的に萎縮する。
  • 橋は全体的に小さく、被蓋の萎縮が強く、中脳の被蓋も強く萎縮する。
  • T2WIにおいて広範な大脳白質の異常高信号。小脳白質(特に虫部傍領域)にもT2高信号を認めることがあり、30例の検討では43%、遅発成人型では70%にみられた。遺伝子確定26例のMRI定量解析では、小脳・脳幹の萎縮の程度はMRI撮像時の年齢とCAGリピート長の両方に相関した。大脳白質のT2高信号はリピート長が比較的短い群(65以下)に多かったが、リピート長の長い群でも30歳代から出現しうる。
動画で学ぶDRPLA

▶キー画像

DRPLA DRPLA1 DRPLA2

病名の4つの神経核とMRIでの位置

名前(読み方) 場所
歯状核(しじょうかく) 小脳半球の深部にある最大の小脳核(第四脳室の高さ)
赤核(せきかく) 中脳の被蓋にある左右対称の丸い核
淡蒼球(たんそうきゅう) 大脳基底核(レンズ核の内側部分)
ルイ体(視床下核) 視床の下、中脳の上端

DRPLAでは、歯状核赤核系と淡蒼球ルイ体系を中心に変性が起こります。

鑑別診断

参考文献

  1. Tsuji S. Dentatorubral-pallidoluysian atrophy (DRPLA). J Neural Transm Suppl. 2000;(58):167-80. PubMed
  2. Sugiyama A, Sato N, Kimura Y, et al. The cerebellar white matter lesions in dentatorubral-pallidoluysian atrophy. J Neurol Sci. 2020;416:117040. PubMed
  3. Basri R, Yabe I, Soma H, et al. Spectrum and prevalence of autosomal dominant spinocerebellar ataxia in Hokkaido, the northern island of Japan: a study of 113 Japanese families. J Hum Genet. 2007;52(10):848-855. PubMed
  4. Koide R, Onodera O, Ikeuchi T, et al. Atrophy of the cerebellum and brainstem in dentatorubral pallidoluysian atrophy. Influence of CAG repeat size on MRI findings. Neurology. 1997;49(6):1605-12. PubMed
  5. Carroll LS, Massey TH, Wardle M, et al. Dentatorubral-pallidoluysian Atrophy: An Update. Tremor Other Hyperkinet Mov (N Y). 2018;8:577. PubMed

画像診断を無料で学べるコンテンツ

腹部画像診断を症例で学ぶ
無料講座

腹部画像診断を症例で学ぶ

4日に1回、朝6時に症例が届き、実際に画像をスクロールして読影する講座です。90症例以上・1年以上続く講座で、医師・医学生・放射線技師・看護師など10,000名以上が参加中です。

講座に参加する(無料) →
胸部レントゲンの正常解剖を31日で
無料講座

胸部レントゲンの正常解剖を31日で

1日3分、全31日で胸部レントゲンの正常解剖の基礎を学ぶ参加型の講座です。全日程に簡単な動画解説が付いています。

講座に参加する(無料) →
画像診断LINE公式アカウント
登録特典あり

画像診断LINE公式アカウント

新しい企画やモニター募集のお知らせを配信しています。登録すると特典として、脳の血管支配域のミニ講座に無料で参加できます。

LINEで友だち追加 →