前立腺とくに辺縁域で癌以外でT2WI低信号となるもの
- 生検後の出血
- 放射線治療後(全体的に低信号)
- 若年者
- 前立腺炎
- 経尿道的前立腺摘除術後(TURP)
- 前立腺全摘後の変化
若年者
・若年者は辺縁域が若干低信号で、移行域の腫大が認められず、移行域と辺縁域の境界(外科的被膜)が不明瞭に見える。
・前立腺肥大症が見られる60歳以上では、境界は明瞭化する。
症例 16歳男性 陰嚢外傷
前立腺肥大症は認めず、辺縁域もT2WIで高齢者ほど高信号ではない。
症例 30歳代男性
辺縁域は移行域に比べてサイズが大きい。また信号もT2WIで高齢者ほど高信号ではない。
生検による影響
・生検後の辺縁域の出血(T1WI高信号)は遷延する(約8週間)。
・これは辺縁域にはクエン酸が多いからである。
・しかし、PCがあるところは出血しにくく生検後でもある程度の大きさがあれば診断できる。
ホルモン治療および放射線治療後
・辺縁域(PZ)が委縮し、T2WI lowになる。
経尿道的前立腺摘除術後(TURP)
・TURPによる欠損部周囲の辺縁域はT2WI lowを呈するため、残存癌との鑑別が問題になる。
前立腺全摘後の変化
・全摘術後は前立腺、精嚢の欠損により膀胱が下降する。
・吻合部の線維化が完成するとT1,T2WIともにlowとなる。