女性化乳房(Gynecomastia)とは
- 男性の乳房の非腫瘍性肥大。
- 特発性(原因不明)のこともある。
- 片側にのみ生じることもある。
- 基礎疾患や使用薬剤がなければ経過観察でよい。90%は一時的なもので1年半以内に自然消失する。
- 乳癌のリスク因子ではない。
画像所見
- エコー:乳頭を中心とする乳輪下の円形低エコー
- マンモグラフィー:乳輪下の円形、三角形のdensityを呈する。
- CT:乳腺組織の肥大を認める。
症例 70歳代男性 肝硬変
症例 20歳代男性
女性化乳房の鑑別診断
ホルモン性
- 思春期(血中エストラジオール濃度が高い)
- 高齢者(テストステロンが少ない)
- アンドロゲン欠乏(加齢,精巣機能不全,腎不全,Klinefelter症候群)
- 腫瘍(副腎,下垂体,精巣,肝細胞癌,肺)
全身性疾患
- 肝硬変
- 腎不全
- 栄養失調
- 慢性肺疾患
- 甲状腺疾患
薬剤性
- 蛋白同化ステロイド
- ヘロイン
- マリファナ
- エストロゲン
- 一部の化学療法薬
- シメチジン
- ジアゼパム
- フェニトイン(アレビアチン)
- スピロノラクトン(アルダクトン)
- フロセミド(ラシックス)
- ベラパミル
- イソニアジドなど