外傷性骨盤骨折
外傷性骨盤骨折は、
- 骨盤輪骨折
- 寛骨臼骨折
に大きく分けられます。
今回はこのうち骨盤輪骨折についてまとめました。
関連記事:外傷性骨盤骨折の分類(骨盤輪骨折、寛骨臼骨折)と画像診断のポイント!
骨盤輪骨折
骨盤輪骨折は骨盤輪の破綻する箇所で、3つに大きく分けられます。
- 仙骨と2つの寛骨からなる骨盤を1つのリング構造と考え、骨盤輪の破綻する箇所(①破綻箇所がない、②1カ所、③2カ所以上および臼蓋骨折)により分類する方法。2カ所以上が多い。
①破綻箇所がない場合=骨盤輪の連続性は保たれる。
- 裂離骨折、閉鎖孔周囲の骨折、仙骨の横骨折は骨盤輪に影響しないため、保存的に加療される。
②骨盤輪が1カ所で破綻する場合。
→恥骨結合離開、恥骨上下枝骨折、仙腸関節近傍が縦に走る場合が多い。
③骨盤輪が2カ所以上で破綻する場合。
→力学的に不安定で骨盤内臓器の損傷も多い。手術が必要になる事も多い。
- 両側恥骨上下枝骨折:跨座(こざ)骨折、straddle fractureが多い。
- 坐骨・恥骨枝、仙腸関節、仙骨翼(いずれも左右)のいずれか2カ所以上。
- straddle骨折では尿道・膀胱損傷を伴う事あり。
- Malgaigne骨折:複数で折れる。一側の下肢により、垂直方向に強い外力が加わり発生。仙骨の骨折では、sacral foraminal line(仙骨溝の上のライン)が見えるのでそれがずれていたり、線が入っていると骨折。これも尿路損傷を伴いやすい。