好酸球性鼻副鼻腔炎は、従来は慢性副鼻腔炎に含まれていたが、近年は一つの疾患概念として確立されている。本邦では、副鼻腔粘膜に多数の好酸球浸潤を認める症例が手術後に再発を来しやすいという特徴から、2001年に提唱された。
好酸球性副鼻腔炎(eosinophilic sinusitis)
- 定義: 粘膜や鼻ポリープに著明な好酸球浸潤を伴う、難治性・易再発性の慢性鼻副鼻腔炎。
- 従来は慢性副鼻腔炎に含まれていたが、最近は1つの疾患概念として確立。(本邦では、副鼻腔粘膜に多数の好酸球浸潤を認める症例が手術後に再発を来しやすいという特徴から、2001年に提唱された。)粘膜/鼻ポリープに著明な好酸球浸潤を伴う、難治性・易再発性の慢性鼻副鼻腔炎。
- 成人以降に発症しやすく、治療抵抗性の慢性鼻副鼻腔炎。
- 嗅覚障害、両側の鼻茸、末梢血好酸球数高値、鼻副鼻腔の粘膜の好酸球浸潤を特徴とする。
- 気管支喘息やアスピリン喘息の合併を特徴とする。特に気管支喘息との関連が大きく 、アスピリン喘息における副鼻腔炎は難治性です 。好酸球性中耳炎を合併することもある。
- アスピリン喘息における副鼻腔炎は難治性。
- 成人発症の難治性の気管支喘息や好酸球性鼻副鼻腔炎の経過観察中に、しびれ、呼吸器症状、皮膚症状の臨床所見に加え、末梢血好酸球数が異常高値を認める場合、EGPAを念頭におく。
好酸球性副鼻腔炎(eosinophilic sinusitis)の診断基準(JESRECスコア)
好酸球性鼻副鼻腔炎の確定診断(Definite)は、JESRECスコア合計が11点以上、かつ鼻茸組織中の好酸球数(400倍視野)が70個以上存在した場合とされる。
| 診断基準項目 | スコア |
|---|---|
| 病側:両側 | 3点 [6] |
| 鼻茸あり | 2点 [6] |
| CTにて篩骨洞優位の陰影あり | 2点 [6] |
| 末梢血好酸球(%):2< ≦5 | 4点 [6] |
| 末梢血好酸球(%):5< ≦10 | 8点 [6] |
| 末梢血好酸球(%):10< | 10点 [6] |
好酸球性副鼻腔炎(eosinophilic sinusitis)の画像所見
- 著明な両側性びまん性軟部構造。(片側性の場合はアレルギー性真菌性副鼻腔炎の可能性が高い。)
- 篩骨洞〜中鼻道優位。下鼻道領域は保たれる傾向にある。
- 著明な鼻腔ポリープ形成
- アレルギー性ムチンによりCTにてやや高吸収(アレルギー性ムチン)の構造。T2WIで著明な低信号のため含気があるように見える場合もある。
- 洞内圧上昇により骨壁のpressure erosionが起こる事あり。術前評価で重要。
好酸球性副鼻腔炎(eosinophilic sinusitis)の治療
好酸球性鼻副鼻腔炎は難治性で鼻茸が再発しやすい特徴がある。
- 一般的な治療: ステロイド治療やESS(内視鏡下副鼻腔手術)が行われます [6]。
- 分子標的薬: 鼻茸スコア5以上の場合には、ヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクロナール抗体(Dupilumab)の分子標的薬が有効です 。ただし、Dupilumab投与中に、4ヵ月をピークとして末梢血中好酸球数が増加することが知られている。
症例① 60歳代女性

篩骨洞〜中鼻道優位に濃度の高い粘膜肥厚を認めています。
下鼻道領域は保たれています。
好酸球性副鼻腔炎と診断されました。
症例②
両側著明な粘膜肥厚+内部に高吸収域をみたら好酸球性副鼻腔炎を鑑別に挙げるようにしましょう。
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