肺好酸球性肉芽腫症(Pulmonary langerhans cell histiocystosis:PLCH)

  • 好酸球と皮膚のLangerhans組織球からなる肉芽腫の形成を病理学的特徴とする。
  • 20~30歳代の男性、主訴は咳嗽、喀痰。
  • 90%に喫煙歴を有する1)
  • 乾性咳嗽、労作時呼吸困難、胸痛、発熱などの臨床症状。2割は無症状。
  • 病期が進行すると、細胞浸潤が細気管支壁の間質から隣接肺胞隔壁におよび、病変中心部が線維化を来すため不整形の結節を呈する。
  • さらに線維化が進行すると、嚢胞形成が見られる。
  • 禁煙のみで軽快することが多い。
  • まれに急速に呼吸不全に陥る。

Langerhans細胞組織球症の画像所見

  • 上中肺野優位の結節、空洞形成、小葉中心性の粒状影
  • 空洞壁の厚さや嚢胞の形態はさまざま。癒合してアメーバ状の嚢胞を形成(ミッキーマウス様)。
  • 線維化の進行により嚢胞化が高度になると、CTでは進行した肺気腫に類似した像を呈する。
  • 病変の軽微な部分に結節や空洞性結節が認められるかどうかが、鑑別の鍵となる所見である。

症例 20歳代男性 過去5年間、1日30本の喫煙あり。 呼吸困難、非咳嗽、倦怠感あり。

引用:radiopedia

間質肥厚と小さな結節が気道の周りに分布しており、両肺上肺野優位にさまざまなサイズ、形状、壁厚の嚢胞性病変を認めています。

肺好酸球性肉芽腫症/肺Langerhans細胞組織球症(LCH)と診断されました。

関連記事:ランゲルハンス細胞組織球症のCT、MRI画像診断(LCH)

1)RadioGraphics,12:515-526,1992

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