先に結論:上咽頭がん・上咽頭悪性リンパ腫の画像診断
- 上咽頭がんは、鼻の奥・のどの一番上にできるがんで、EBウイルスと関係が深く、東アジア・南中国に多く、首のリンパ節の腫れ・片側の耳のつまり(滲出性中耳炎)・鼻血・鼻づまりで見つかります。大人の片側だけの滲出性中耳炎は要注意のサインです。上咽頭の悪性腫瘍では、がんに次いで悪性リンパ腫が多いです
- 最も多い発生部位は耳管隆起の後ろのくぼみ(Rosenmüller窩)で、ここの左右差・ふくらみをCT・MRIで確認します
- ルビエール(Rouvière)リンパ節は外側咽頭後リンパ節のことで、環椎(C1)の前、内頸動脈と椎前筋の間にあり、上咽頭がんの最初の転移先になりやすいリンパ節です。上咽頭がんでは短径6mm以上・中心壊死・2個以上の集簇・内側咽頭後リンパ節が転移を疑う目安とされます(Zhang 2010)
- 頭蓋底に接して手術が難しいため、治療の中心は放射線治療と化学療法で、画像の役割は広がりの評価です。MRIが最も優れ、頭蓋底の骨への浸潤・海綿静脈洞・神経に沿った進展・咽頭後リンパ節や頸部リンパ節の転移を確認します
- 大きくても周囲を壊さず構造を保ったまま広がる均一な腫瘤・骨破壊が少ない・大きなリンパ節でも壊死が少ない場合はリンパ腫を、Rosenmüller窩から深部へ浸潤し骨を壊す場合はがんを考えます。リンパ腫はDWIで強い拡散制限(ADC低値)を示すことが多く、最終的には生検で診断します
※片側の耳がつまった感じが続く・首のしこり・鼻血をくり返すときは、耳鼻咽喉科を受診してください。
上咽頭癌を診断する上で、理解すべき構造

Rosenmuller窩(fossa of Rosenmuller)
- 外側窩・咽頭陥凹(pharyngeal recess)ともいい、上咽頭の外側壁と後壁の境界部にあり、耳管隆起の後方に存在する陥凹。読み方は「ローゼンミュラー窩」で、英語ではfossa of Rosenmüller(Rosenmuller fossa)と書かれます。
- 上咽頭癌はRosenmuller窩を含む外側壁および後壁に好発する。Rosenmuller窩が不明瞭な場合は耳鼻科で調べてもらう必要あり。
- 生理的に不明瞭になる場合あり:高齢者(萎縮による)、若い人(リンパ組織が豊富)
※高齢者などで不明瞭な場合はValsalva変法CTが有用。口を閉じて頬を膨らませていきんだ状態で撮影する方法。上咽頭も伸展・拡張した状態になるので不明瞭な場合は有用。
耳管咽頭口(耳管開口部)
- 耳管は上咽頭と中耳腔をつなぐ経路。
- 中耳腔に空気を送り込み、物を飲みこんだときに咽頭腔と鼓室の間の圧を均衡に保つ機能がある。
- 耳管咽頭口は耳管隆起の下にスリット状に開口する。
- 耳管咽頭口は、飲み込んだりあくびをしたりすると開く。これには口蓋帆挙筋、口蓋帆張筋、耳管咽頭筋が関与。口蓋帆張筋は三叉神経第3枝、口蓋帆挙筋と耳管咽頭筋は迷走神経(咽頭神経叢)の支配。
- 耳管が機能障害→中耳腔は急速に陰圧→中耳腔や乳突蜂巣に漿液性の液体貯留を起こす→滲出性中耳炎となる。
- 逆に、片側性の滲出性中耳炎を見たら→上咽頭癌により耳管が狭窄しているのではないかと考える必要あり。
耳管隆起
- 耳管隆起の前後に2つの陥凹が見られ、前方には耳管咽頭口が開口し、後方にはRosenmuller窩が存在する。
- 耳管隆起は上咽頭の外側壁を構成し、その正常形態を形成する重要な構造物である。
咽頭頭底筋膜(pharyngobasilar fascia)
- 上咽頭収縮筋群を支持する強靭な筋膜である。これにより癌や炎症の波及から守られている。外側には傍咽頭間隙、後方には咽頭後間隙がある。
- 咽頭頭底筋膜と頭蓋底の間の隙間に耳管が走行する。この隙間がMorgagni洞である。
- 咽頭頭底筋膜は腫瘍や炎症の進展を防ぐ障壁と考えられている。
- 咽頭頭底筋膜はCTやMRでは見えない。(ただし見えるという人もいる。)周囲の筋肉、脂肪、血管から類推することは可能。深部構造は左右対称なので、不整や非対称を捉えることが重要。

Morgagni洞
- 咽頭頭底筋膜前部上縁の欠損部をいい、口蓋帆挙筋と耳管軟骨部がMorgagni洞の中を貫通する。
- この筋膜の欠損部は上咽頭癌などの咽頭粘膜病変が傍咽頭間隙、頸動脈間隙、頭蓋底へ進展する経路になりやすい。
咽頭後リンパ節群

- 内側型と外側型に分けられる。
- 外側は人名を冠して、Rouviereのリンパ節と呼ばれる。
- いずれも上咽頭、中咽頭からのリンパ流を受け→深頸リンパ節→後頸三角リンパ節に注ぐ。
- 咽頭後リンパ節群は舌骨より頭側に存在し、内側群は上中咽頭のレベルで正中にあり、通常小さいか欠損している。外側群は内頸動脈の内側、椎前筋の外側に位置する。
- 内側群は一般にCTやMRで描出されない。
- 外側群は正常の小児では高い頻度で認められる。悪性腫瘍のない90人のMRIの検討では、小児4人は全員で両側に見えたのに対し、成人では86人中5人にとどまりました(Ichimura 1993)。成人で目立つ外側咽頭後リンパ節を見たら注意を要する。
なぜこのリンパ節が重要か?
- それは、上咽頭からの最初の灌流路で、上咽頭の所属リンパ節だからです。理学的に触知することが出来ず、そのため画像診断の役割が大きいのです。
- 外側咽頭後リンパ節群は中咽頭、下咽頭、軟口蓋の悪性腫瘍からもしばしば転移を来すので注意を要します。
上咽頭がんで咽頭後リンパ節転移を疑う目安
放射線治療を受けた上咽頭がん303人のMRIの検討では、短径6mm以上が最も正確な大きさの基準(正診率87.5%)で、中心壊死や2個以上の集簇は特異度100%でした。これらに内側咽頭後リンパ節(大きさを問わない)を加えた基準が提案されています(Zhang 2010)。また、新たに診断された上咽頭がん275人のMRIでは、63.6%に咽頭後リンパ節転移があり、転移は後頭骨〜C1の高さに多く、C2/3以下はまれでした(Liu 2006)。
| 外側咽頭後リンパ節(ルビエールリンパ節) | 内側咽頭後リンパ節 | |
|---|---|---|
| 位置 | 環椎(C1)の前、内頸動脈の内側・椎前筋の外側 | 上〜中咽頭の高さの正中付近 |
| 正常での見え方 | 小児ではよく見えるが、成人では見えることが少ない(Ichimura 1993) | 通常は見えない |
| 上咽頭がんで転移を疑う目安 | 短径6mm以上・中心壊死・2個以上の集簇 | 見えれば大きさを問わず疑う |
Zhang 2010をもとに作成
上咽頭の解剖でよくある疑問(Q&A)
Q1. 上咽頭はどんな壁でできている?
| 壁 | 主な構造 |
|---|---|
| 前方 | 後鼻孔で鼻腔とつながる |
| 上壁〜後壁 | 蝶形骨・斜台に接し、咽頭扁桃(アデノイド)がある。その後ろに咽頭後間隙・椎前筋 |
| 外側壁 | 前から耳管咽頭口 → 耳管隆起 → Rosenmüller窩の順に並ぶ |
| 下方 | 軟口蓋の高さで中咽頭に移行する |
Q2. ローゼンミュラー窩(Rosenmüller窩)はどこ?
A. 上咽頭の外側壁で、耳管隆起のすぐ後ろにあるくぼみです。横断像では、上咽頭の左右の後外側の角にあたります。上咽頭がんの好発部位なので、左右差やふくらみ、くぼみが埋まっていないかを確認します。
Q3. ルビエールリンパ節(Rouvièreリンパ節)はどこ?
A. 外側咽頭後リンパ節のうち最も頭側のもので、環椎(C1)の前方、内頸動脈と椎前筋の間にあります(Ichimura 1993)。首の外から触れないため、CT・MRIでの評価が重要です。
Q4. 耳管隆起とは?
A. 耳管の軟骨部が上咽頭の外側壁に作る高まりで、その前に耳管咽頭口、後ろにRosenmüller窩があります。耳管の出口がふさがれると片側の滲出性中耳炎になるため、大人の片側の滲出性中耳炎では上咽頭の確認が必要です。
Q5. 症状がなくても、三叉神経に沿って広がっていることはありますか?
A. あります。新たに診断された上咽頭がん110例のCT・MRIでは、53.6%(59例)に三叉神経の神経周囲進展が画像で見られましたが、顔の痛みやしびれなどの症状があったのは23.6%(26例)でした。頭蓋底より下にとどまる早期の段階では、症状が出にくいと考えられています(Su 1996)。
Q6. 咽頭頭底筋膜はCT・MRIで見えますか?
A. 筋膜そのものは通常は見えません。周囲の筋肉・脂肪・血管の位置から推定し、左右差や脂肪の消失から傍咽頭間隙への進展を判断します。Morgagni洞は筋膜の弱点で、上咽頭がんが傍咽頭間隙へ広がる通り道になります(Hyare 2010)。
※耳のつまりが片側だけ続く、首のしこり、血の混じった鼻水が続くなどの症状があるときは、耳鼻咽喉科で診てもらってください。
上咽頭の悪性腫瘍(総論)
- 癌が大部分を占める。
- 悪性リンパ腫がこれに次ぐ。
- 上咽頭は組織生検が比較的容易。
- 画像診断は病巣の進展度診断が主体。
- 頭蓋底に接するため、外科的切除が困難。
- 治療の中心は放射線治療で、進行例では化学療法を組み合わせる。
上咽頭癌
- 東アジア・東南アジア(特に中国南部)に多く、欧米、日本では稀。
- 男性に多い。
- 危険因子はEBウイルス(Epstein-Barr virus)、HLA-A2、食物中のニトロソアミン(nitrosamine:塩蔵魚など)。血漿EBウイルスDNAがスクリーニング・予後予測・治療効果予測・経過観察に用いられている。
- 病理組織学では、角化型扁平上皮癌、非角化癌(分化型・未分化型)、類基底扁平上皮癌に分類され(WHO分類)、流行地では非角化癌が大多数を占める。
- 臨床症状では頚部腫瘤が最も多い。これは高率に併存するリンパ節転移の症状。また、耳閉、伝音性難聴、脳神経症状により発見される場合もある。
- 治療は強度変調放射線治療(IMRT)と化学療法の組み合わせが中心である。
上咽頭癌の病期分類
上咽頭癌T分類(UICC/AJCC第8版)
- T1 上咽頭に限局、または中咽頭 and/or 鼻腔に進展(傍咽頭間隙への進展なし)
- T2 傍咽頭間隙に進展* and/or 隣接軟部組織(内側翼突筋・外側翼突筋・椎前筋)に進展
- T3 頭蓋底骨組織・頸椎・翼状突起構造 and/or 副鼻腔に進展
- T4 頭蓋内進展 and/or 脳神経・下咽頭・眼窩・耳下腺に進展、または外側翼突筋の外側面を越える広範な軟部組織進展
*傍咽頭間隙への進展=後外側への進展(咽頭頭底筋膜を越える進展)
・第8版では、EBウイルス陽性で原発巣不明の頸部リンパ節転移をT0とする項目が加わった。
・第7版でT4だった「咀嚼筋間隙・側頭下窩」は、内側・外側翼突筋への進展(T2)と、外側翼突筋の外側面を越える進展(T4)に分けて記載されるようになった。
・上咽頭癌の骨浸潤は、主に2つ。頭蓋底への直接浸潤、後方へ進展して、頸椎に進展するパターン。
※特にT2が大事。
※Rosenmüller 窩への進展は傍咽頭間隙にも到達していないので、T1。

上咽頭癌T2
▶T2の傍咽頭間隙への進展形式は2通りある。
- Morgagni洞を経て進展する。
- 咽頭頭底筋膜から直接進展する。

これを画像で見るには、咽頭頭底筋膜が見える場合はそれでよいが、見えない場合は、翼状突起の内板(口蓋帆張筋内側)と内頸動脈の外側壁に引いたラインよりも外側に腫瘍が進展していたら、傍咽頭間隙への進展ありとする。
まとめ:傍咽頭間隙への浸潤所見
- 傍咽頭間隙の脂肪織の消失。
- 口蓋帆挙筋の不明瞭化。
- 翼状突起の内板(口蓋帆張筋内側)と内頸動脈の外側壁に引いたラインよりも外側に腫瘍が進展。
つまり、このように口蓋帆張筋がきちんと追える場合は、傍咽頭間隙に進展なし=T1といえる。

一方で、口蓋帆張筋が不明瞭化しており、翼状突起の内板と内頸動脈の外側壁に引いたラインを腫瘍が超えており、T2と診断できる。

上咽頭癌T4
▶頭蓋内進展形式は3パターン
- 上方進展→破裂孔→海綿静脈洞
- 側方進展→内側翼突筋後面→卵円孔
- 前側方進展→翼口蓋窩→正円孔、下眼窩裂
神経周囲進展形式
・上咽頭癌の神経周囲進展はさまざまな経路から生じうる。
・末梢側では上顎洞後壁に沿った分布を示す後上歯槽神経、下方では大・小口蓋孔に連続する大・小口蓋神経、前方では眼窩下神経に沿った進展。
上咽頭癌の進展範囲を読影するときのポイント(レポートに書くべきこと)
- 扁平上皮癌は粘膜より弱い増強効果を呈する腫瘤として描出される。
- 癌と内頸動脈との関係。
- 頭蓋底の骨への浸潤の有無。
- 頭蓋内進展の有無。(経路は破裂孔から海綿静脈洞、頭蓋底の直接破壊、卵円孔など様々で、三叉神経V3に沿った神経周囲進展も来しやすい。Chong 1996)
- 傍咽頭間隙への進展の有無。
上咽頭がんの進展経路まとめ(構造から読む)
正常構造を押さえておくと、がんがどこを通って広がるかを読み取りやすくなります。
| 方向 | 通り道になる構造 | 到達する場所 |
|---|---|---|
| 外側 | Morgagni洞(咽頭頭底筋膜の欠損部。耳管と口蓋帆挙筋が通る)、または咽頭頭底筋膜の後外側を越える | 傍咽頭間隙。15例の検討では全例でMorgagni洞を通って広がり、13例で後外側の筋膜を越えて茎突後の傍咽頭間隙に達していました(Hyare 2010) |
| 上方 | 破裂孔、頭蓋底の直接破壊 | 海綿静脈洞・中頭蓋窩。上咽頭がん114例では31%に中頭蓋窩への進展があり、経路は卵円孔が最も多い(12/35例)ものの、頭蓋底破壊・破裂孔・蝶形骨洞など様々でした(Chong 1996) |
| 外側〜神経 | 傍咽頭間隙から咀嚼筋間隙へ、卵円孔(三叉神経V3) | 三叉神経に沿った神経周囲進展。海綿静脈洞へつながる |
| 前外側 | 翼口蓋窩、正円孔(V2)・下眼窩裂 | 上顎洞後壁、眼窩下神経、海綿静脈洞 |
| 後方 | 咽頭後間隙、椎前筋 | 斜台・頸椎(骨浸潤)、咽頭後リンパ節 |
| 前方・下方 | 後鼻孔、軟口蓋の高さ | 鼻腔、中咽頭 |
Hyare 2010、Chong 1996、Su 1996をもとに作成
リンパ節転移評価(N因子)
- 咽頭後リンパ節→上深頚リンパ節(Ⅱ)の経路と、直接、上深頚リンパ節(Ⅱ)に転移する場合がある。MRIで病期診断した2920例のメタ解析では、85%にリンパ節転移があり、咽頭後リンパ節(69%)とレベルⅡ(70%)が最も多く、レベルⅢ・Ⅳ・Ⅴはそれぞれ45%・11%・27%でした。転移は上から順に広がり、レベルを飛ばす跳躍転移は0.5〜7.9%とまれです。
- N分類が進んだ症例は遠隔転移のリスクが高い。
上咽頭癌におけるリンパ節転移(N分類 UICC/AJCC第8版)
- N0:所属リンパ節転移なし
- N1:輪状軟骨下縁より上方の片側頸部リンパ節転移、または片側・両側の咽頭後リンパ節転移でいずれも6cm以下のもの。
- N2:輪状軟骨下縁より上方の両側頸部リンパ節転移でいずれも6cm以下のもの。
- N3:6cmを超えるリンパ節転移、and/or 輪状軟骨下縁より尾側への進展(第7版の「鎖骨上窩」から変更)
※2025年1月から運用されているAJCC/UICC第9版TNM分類では、画像で隣接する筋・皮膚・神経血管束に及ぶ高度の節外浸潤がN3の基準に加わり、遠隔転移のない例は病期I〜IIIに再編されました(T1-2N0-1がI、T3またはN2がII、T4またはN3がIII)。
※実際の病期判定では、UICC/AJCCと頭頸部癌取扱い規約の現行版を確認してください。
上咽頭悪性リンパ腫
・上咽頭では上咽頭癌に次いで2番目に多い悪性腫瘍。
・ホジキン病以外のリンパ腫はリンパ節外病変がほとんど。
・咽頭粘膜間隙に好発する。
・症状は二次性耳管機能不全による片側性あるいは両側性難聴。持続する鼻出血、鼻閉、リンパ節腫脹。
・治療の主体は放射線治療と化学療法。
画像診断
・比較的やわらかい腫瘍で既存構造を保ちながら進展する傾向あり。
・上咽頭癌との相違点
①比較的大きな腫瘤の割に深部浸潤に乏しい。
②リンパ節腫大が大きくても壊死を伴いにくい。
③頭蓋底より扁桃レベルへの下方進展を示しやすい。
※上咽頭の非ホジキンリンパ腫14例の検討では、腫瘤は20〜75mmで、CTでは全例が均一、上咽頭の全周の壁に及ぶ例が71%で、深部への浸潤はあっても限られ、範囲も小さいものでした(King 2003)。
・比較的均一な浸潤性軟部組織腫瘤を呈する。
-CT:筋肉とほぼ等濃度
-MRI:T1WIで筋肉と等〜軽度高信号、T2WIで比較的高信号、造影後は中等度の増強効果。
・内部に隔壁様構造は確認できない。・拡散強調像ではリンパ腫のADCは上咽頭癌より有意に低く、12研究(リンパ腫181病変、上咽頭癌449病変)のメタ解析で示されている。ただしADCによる鑑別の統合感度は0.90、特異度は0.63にとどまり、形態所見と組み合わせて判断し、確定は生検による。
症例 60歳代女性 上咽頭癌を疑われて耳鼻科へ紹介

引用:Radiopaedia(Nasopharyngeal non-Hodgkin lymphoma)
造影T1強調像の横断像で、上咽頭を左右両側にわたって占める大きな腫瘤を認め、内部は比較的均一に造影されています。本症例では腫瘤は左側優位に中咽頭まで広がっており、生検でB細胞性非ホジキンリンパ腫と確定しています。
関連記事:頚部リンパ節の悪性リンパ腫の画像診断(CT、MRI、非Hodgkin、Hodgkin)
実際の画像で確かめるには、画像診断cafeの頸部MRIの正常解剖ツールで、スライスを動かしながら構造をタップすると名前が表示されます(無料・登録不要)。
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