先に結論:大腿骨遠位端骨折
- 大腿骨遠位端骨折は若い人の高エネルギー外傷(交通事故など)と骨粗鬆症の高齢者の転倒の2つの年齢層に多く見られます
- AO/OTA分類ではA:関節外・B:部分関節内・C:完全関節内に分けます
- 関節内骨折(顆部にT字・Y字に骨折線が入る)かどうかが治療に大切で、X線で分かりにくいことも多いためCTで関節面を評価します
- 人工膝関節の上の骨折(インプラント周囲骨折)や膝窩動脈の損傷にも注意します
大腿骨遠位端骨折
- 若年者の高エネルギー外傷によるものと、骨粗鬆症を伴った高齢者の低エネルギー外傷によるものの2峰性の分布がある。デンマークの302骨折の検討では、受傷時の平均年齢は男性44.0歳・女性71.6歳だった。人工関節周囲骨折を除いた1年死亡率は21%で、60歳を超える患者では35%と高い。
- 高エネルギー外傷の場合は、自動車運転中のダッシュボード損傷や、オートバイ運転中の転倒など膝を曲げたまま強い力が加わるエピソードが典型的。
- AO/OTA分類(Fracture and Dislocation Classification Compendium-2018)が用いられる。
大腿骨遠位端骨折のAO分類
- 関節外骨折と関節内骨折に大きく分けられる。
- 関節内骨折はレントゲンでわかりにくいことも多いため、骨折線のイメージングが必要。骨折線は顆上部から中央に向けて斜めに入るのが特徴。レントゲンの正面像ではY字型あるいはT字型をイメージする。
| AO/OTA分類(33) | 内容 |
|---|---|
| 33A 関節外骨折 | A1 単純、A2 楔状、A3 多骨片 |
| 33B 部分関節内骨折 | B1 外側顆、B2 内側顆、B3 冠状面(Hoffa骨折) |
| 33C 完全関節内骨折 | C1 関節面・骨幹端とも単純、C2 関節面単純・骨幹端多骨片、C3 関節面多骨片 |
顆上・顆間骨折202例では38.1%に冠状面の骨折(Hoffa骨折)を伴い、見逃しを防ぐため術前CTが勧められています(Nork 2005)。

参考文献:
- 小西 浩允. 大腿骨遠位部骨折. 臨床整形外科 56(5):553-557, 2021
- 骨折ハンター P228-231
- Meinberg EG, Agel J, Roberts CS, et al. Fracture and Dislocation Classification Compendium-2018. J Orthop Trauma. 2018;32 Suppl 1:S1-S170. PubMed
- Larsen P, Ceccotti AA, Elsoe R. High mortality following distal femur fractures: a cohort study including three hundred and two distal femur fractures. Int Orthop. 2020;44(1):173-177. PubMed
- Nork SE, Segina DN, Aflatoon K, et al. The association between supracondylar-intercondylar distal femoral fractures and coronal plane fractures. J Bone Joint Surg Am. 2005;87(3):564-9. PubMed
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