下大静脈奇静脈連結(vena cava continuity with azygos vein)
- 下大静脈が肝部で欠損し、奇静脈に連続する。体の尾部からの血液は、奇静脈および上大静脈から心臓に達する。
- 多脾症候群、心奇形、内臓逆位、膵体尾部欠損、腸回転異常を合併することがある。
- 頻度は0.6%とされる。
- 胸部X線の正面像では奇静脈の突出が、側面像では下大静脈の欠損を認める。
- 下大静脈欠損は、側副血行路から下記の3型に分類される。
▶︎主として奇静脈を経由
- IVCから奇静脈を経由し、SVCへ。(奇静脈連結型)
▶︎主として半奇静脈を経由
- 半奇静脈が遺残左上大静脈に流入。
- 半奇静脈-奇静脈連結から奇静脈弓を介してIVCへ。
症例 80歳代 女性 スクリーニング
奇静脈弓の拡張を認めています。
下の方を見ていくと、肝部の下大静脈を認めず、奇静脈弓と連続して奇静脈が拡張していることが分かります。
下の方を見ていくと、肝部の下大静脈を認めず、奇静脈弓と連続して奇静脈が拡張していることが分かります。
肝部下大静脈欠損、奇静脈連結の状態です。
参考:画像診断 Vol.41 No.6 2021 P610