冠動脈瘻(coronary artery fistula)

  • 先天性心疾患の0.5%以下と比較的稀な血管奇形。
  • 冠動脈は本来冠静脈系に灌流するが、心腔、肺動脈、上大静脈、冠状静脈洞などに開口する奇形。
  • 異常血管は右冠動脈からの発生が6割と多い。
  • 開口部は、右室、右房、肺動脈などの右心系が9割と多い。結果、左ー右シャントを生じる。
  • 通常無症状で経過するが、異常血管が拡張し、シャント量が増加すると息切れや疲労感など心不全症状や心筋虚血症状をきたすようになる。
  • 聴診にて、連続性の心雑音を聴取することあり。
  • 冠動脈造影にて偶然発見される場合が多い。この場合肺動脈に開口するものが多い。
  • 治療は、シャント量が少ない場合は経過観察、症状がある場合やシャント量が多い場合は、カテーテルにて塞栓術あるいは、外科的な結紮術、開口部の閉鎖術が施行される。

冠動脈瘻の画像所見

  • 冠動脈CTAで冠動脈から分岐する異常血管を認める。
  • 蛇行した血管が認められる。異常血管から開口部にかけて認められる。
  • 希釈造影剤を用いた二相性造影剤注入や生理食塩水によるフラッシュを行うことで肺動脈の濃度を低くすると、冠動脈から肺動脈側へのシャント部分をジェットとして観察できる(これだけは知っておきたい心臓・血管疾患の画像診断P105)
症例 70歳代女性 呼吸苦

肺動脈の周囲に蛇行した血管あり。

冠動脈(LDA)と肺動脈を結ぶ冠動脈肺動脈瘻と診断されました。

動画でチェック

症例 60 歳代の男性。狭心症の精査。

coronary artery fistula

2014年放射線科診断専門医試験問題36より引用。

肺動脈の周囲に蛇行した血管あり。

冠動脈肺動脈瘻を疑う所見。

症例 60歳代の男性。肺血栓塞栓症の経過観察中に異常を指摘された。

2018年放射線科診断専門医試験問題33より引用。

  • 冠動脈瘤と連続する拡張蛇行した異常血管があり、再構成冠状断では肺動脈とのシャント部に造影剤のジェットが描出されている。冠動脈肺動脈奇形(冠動脈瘻)の所見。

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