- 骨端線損傷は骨端線閉鎖前の小児に起こる特徴的な骨折。
- 骨端線領域は成長軟骨で形成されており、非常に脆弱。
- このため外力によって骨端線に強い負荷がかかり離開する。
Salter-Harris分類とは?
- 骨端線の障害による骨の障害は関節不適合を起こす可能性あり、診断が重要。その際に最も広く使用されているのがこのSalter-Harris分類。
- 小児期での成長板(骨端線)の損傷の分類に用いる。
- 好発部位は橈骨遠位(28%)、脛骨遠位(9%)>指骨。
- 治療方針や予後推定に重要とされる。
- 骨折線が骨端線を介してどの方向に及ぶかで分類する。
- Ⅱ型が最多。数字が大きくなるにつれ予後不良となる。Ⅰ型、Ⅱ型は予後良好、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴは予後不良。
- 単純X線による評価であるが、MRIを追加すると、潜在骨折が見つかることがある。
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Salter-Harris分類
- I型:骨端線離開
- II型:骨折線は骨端線を通過し対側の骨幹端に三角形の骨片がみられる。もっとも多い型。
- III型:骨折線は骨端から骨端線を通過し骨端に連続する骨端の部分骨折。
- IV型:骨端から骨端線を抜け骨幹端に連続する骨折。
- V型:骨端線の長軸方向の圧縮力による挫減が起こる。