非骨化性線維腫(Non-ossifying fibroma:NOF)

  • NOFは線維芽細胞の増生で構成される良性腫瘍で、良性の皮質内多房性で境界が明確な病変。線維性皮質欠損(fibrous cortical defect(FCD))と呼ばれるものと同一疾患。2 cm 未満の場合、FCDと呼ばれる。
  • 通常無症候性。
  • 病的骨折を合併することがある。
  • 2歳以上の男児の約半数、女児の20%にみられるとする報告あり。偶然発見される事が多いため、正しい頻度は不明。
  • 9割が長管骨に生じて、脛骨遠位、大腿骨遠位に多い。他、腓骨、上腕骨、橈骨が続く。
  • 長管骨の皮質、骨幹端に生じ、年齢が高くなるにつれて骨幹部に移動し、消失(骨化)していく。
  • 約8%で多発する。
  • 経過観察を行う。骨格が成熟すると、ほとんどの NOF は平均2年で自然消退するとされる。

非骨化性線維腫の画像所見

  • 単純X線にて、円形あるいは卵円形を示す辺縁明瞭な骨透亮像として認められ、膨隆性変化と、分葉状の辺縁は硬化しているときとしていないときがある。骨膜反応は認めない
  • X線のみで診断可能であり、生検などの組織診断は必要ない、いわゆるDon’t touch lesionの一つ。
  • MRIでは8割にT2WIにて低信号を示すといわれる。線維組織を反映していると考えられる。
若年者の長管骨骨幹端に認められる病変の鑑別
  • 非骨化性線維腫(non-ossifying fibroma)
  • 骨嚢腫(bone cyst)
  • 線維性骨異形成(fibrous dysplasia)
  • ランゲルハンス細胞組織球症
  • 内軟骨腫(enchondroma)

このうち、非骨化性線維腫(non-ossifying fibroma)、骨嚢腫(bone cyst)の頻度が高い。非骨化性線維腫(non-ossifying fibroma)は、骨の中心線からはずれて偏心性に存在する。他のものは比較的中心性に位置する。

症例 15歳男性

Non-ossifying fibroma

右脛骨骨幹端に境界明瞭な透亮像あり。辺縁は骨硬化あり。

T1WIにて淡い高信号、T2WIにて淡い低信号、STIRにて軽度高信号を示している。

非骨化性線維腫を疑う所見。

症例10歳 男児

遠位脛骨に、薄化した皮質、多房性の外観、硬化した縁、および病的骨折を伴う偏心性の透明な病変を認める。

引用:radiopedia

病変には硬化性の縁あり。 病的な骨膜反応なし。 病変は、T1WIでは主に低信号だが、病変に閉じ込められた正常な脂肪骨髄の残留島を表す高信号強度の中央領域を認めている。 骨折には成長板は関与しない。

NOFと診断されました。

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