胸骨傍リンパ節(傍胸骨)(parasternal nodes)とは?
- 内胸動脈に沿って存在するリンパ節。
- 乳腺の内側部・胸壁上部の深層・横隔膜・心膜などからのリンパが流入する。
- 乳癌の転移と関係があり、臨床的に重要。
- 乳癌取り扱い規約第18版(2018年5月)で内胸リンパ節と名称が変更となった。
乳腺からのリンパの流れ
- 内側:胸骨傍リンパ節へ。
- 外側:大胸筋を貫いて胸筋リンパ節→中心リンパ節→鎖骨下リンパ節へ。
胸骨傍リンパ節転移を診断する上での注意点
- 胸骨に近いので、リンパ節転移の胸骨浸潤を、安易に胸骨転移としない。
- 胸骨転移となると血行性転移なので、化学療法、ホルモン療法となる。
- 傍胸骨のリンパ節が徐々にサイズ大きくなり、前方に突出して、胸骨に浸潤したもの。転移であれば根治性が限りなく下がるが、原発性や領域リンパ節転移ならば根治の可能性は残る。
症例 50歳代女性 左乳癌術後
左内胸リンパ節(胸骨傍リンパ節)にリンパ節腫大あり。転移を疑う所見。
左乳腺には術後ペッツあり。
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