脆弱性骨盤骨折(Fragility Fractures(insufficiency fracture) of the Pelvis: FFP)
- 脆弱性骨折とは、骨粗鬆症や放射線治療などにより脆弱化した骨に日常的な負荷や軽度の外力が加わることにより発生する骨折。脊椎や、大腿骨頸部、骨盤などで好発する。
- 骨盤では、仙骨、恥骨が好発部位。
- Rommens分類で分類される。
脆弱性骨盤骨折の画像所見
- 仙骨では仙骨翼の縦骨折とS2の横骨折が見られるがレントゲンでの描出は困難。CTやMRIが有用。
- CTでは、CTでは骨皮質のびらんと硬化性変化。仙腸関節に沿う2本縦線として認めることがある。ただし、CTでも描出が困難なことがある。
- 骨シンチグラフィでは骨折線に沿うH字状の集積を認めるため、自動車メーカーのホンダのロゴのようだということでHonda signと呼ばれる。
- 恥骨では、恥骨結合近傍や上・下枝の縦骨折として認める。恥骨はレントゲンでも描出可能なことがある。
Rommens分類
上のようにTypeⅠ〜Ⅳに分類される。
HONDA signはTypeⅣbに相当する骨折。
症例 70歳代 女性
1年半前のCT画像では認めていなかった骨折線を左恥骨及び仙骨の両側に認めています。
脆弱性骨盤骨折(Rommens分類TypeⅣcに相当)を疑う所見です。
この症例を動画解説しました。
参考文献:股関節・骨盤の画像診断P226