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脳出血(血腫)のMRI経時的変化の画像診断

出血のMRI経時的変化が苦手です。何か覚えやすい方法はないですか?
まず、ささっと、下の図を書けるようにしてください。そして、○と□を埋めてください。○には発症からの日数、□にはヘム鉄の変化を書いてください。

hemorrhage1

これは覚えやすいですね。

ただし、信号変化のパターンはあくまで典型例であり、実際はさまざまな環境により時間経過が異なったり、典型的な信号変化をとらない場合もあるので注意しましょう。ちなみに正解は下のようになります。

hemorrhage2

ヘモグロビンは経時的な変化に伴い、

オキシヘモグロビン(oxy-Hb)
→デオキシヘモグロビン(deoxy-Hb)
→メトヘモグロビン(met-Hb)
→ヘモジデリン と変化する。

血腫のMRIの経時的な信号変化の詳細

hemorrhage3 hemorrhage4

病期 ヘム鉄の変化局在 T2WI T1WI CT
超急性期
(1-24時間)
オキシヘモグロビン/赤血球内 Fe2+/反磁性 軽度high 軽度low high
急性期
(1-7日間)
デオキシヘモグロビン(O2持ってる)/赤血球内 Fe2+/常磁性 low 軽度low high
亜急性期
(1-4週間)
メトヘモグロビン/赤血球内ただし壊れ始める。 Fe3+/常磁性 low high high
遊離メトヘモグロビン/赤血球外 Fe3+/常磁性 high high 辺縁からlow
慢性期
(1ヶ月~)
貪食細胞内ヘモジデリン。中心部のメトヘモグロビンはなくなる Fe3+/常磁性 low low low

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一目でわかる脳出血のMRI経時的変化

cerebralhemorrhagemri1 ※拡大、保存するならこちら↓。

cerebralhemorrhagemri

超急性期

超急性期(-6時間(24時間))の血腫はオキシヘモグロビン(oxy-Hb)にて形成され、T1およびT2強調像にて等〜高信号を示す。

症例 70歳代 男性 ふらつき

cerebral hemorrhage acute MRI

尾状核頭からの出血による脳室穿破。同日のMRI T2WIにてねずみ色の血腫あり。

超急性期の出血に矛盾しない所見。

関連記事)急性期脳出血のMRI画像所見は?ポイントはねずみ色!?

急性期

血管外に出た血腫は徐々に脱酸素化が起こり、急性期(発症後3日以内)の赤血球内はデオキシヘモグロビンが主体を占めるようになる。磁化率効果によりT2強調像にて著明な低信号を示すのが特徴。

亜急性期

亜急性期(早期亜急性期:3-7日)になると、辺縁部よりデオキシヘモグロビンは酸素化され、メトヘモグロビンに変化する。メトヘモグロビンはT1短縮効果を持ち、T1強調像にて高信号を示す。T2強調像では、メトヘモグロビンが赤血球内に存在する間は磁化率効果により低信号を示すが、赤血球は溶血し、広がるようになると、高信号を示すようになる。

症例 70歳代 男性

cerebral hemorrhage mri findings1

右小脳半球にMRA元画像にて高信号、T2WIにて低信号の血腫あり。

急性期〜亜急性期早期の出血と考えられます。

症例 50 歳代の男性。高血圧性脳出血にて入院加療中。発症3-7日前後か。

de-oxy

2014年放射線科診断専門医試験問題21より引用。

左の後頭葉〜頭頂葉に皮質下出血あり。T1WIにて高信号、T2WIにて内部低信号、周囲淡い高信号を認めている。

T2WIで低信号はデオキシヘモグロビンを示唆するが、T1WIで高信号はメトヘモグロビンを示唆。

なので、デオキシヘモグロビン→メトヘモグロビンへと移行している3-7日前後か。メトヘモグロビンは細胞内にある時期。

症例 70歳代 男性(複視)  橋出血 発症10日目

cerebral hemorrhage MRI

T1WIでリング状の淡い高信号あり。内部はやや低信号。

T2WIでは内部は低信号で縁取るような高信号あり。

亜急性期早期に相当するパターン。

症例 60歳代女性 右前頭葉皮質下出血 発症14日目

cerebral-hemorrhage-mri-change

T1強調像では縁取るような高信号あり。メトヘモグロビンを示唆する所見。

T2強調像では内部の水分量を反映して高信号がやや目立つ。亜急性期の血腫の所見に矛盾しない。

症例 60歳代男性 右被殻出血 発症14日目

hemorrhageMRI

T1WI(MRA元画像)にて縁取るような高信号あり。メトヘモグロビンを示唆。FLAIR像やDWIにて内部は高信号。

亜急性期の血腫の所見に矛盾しない。

 

発症後2週間以降では血腫の体積は減少を始め、メトヘモグロビンによるT1強調像での高信号も消退していく。慢性期(発症1ヶ月以降)の血腫は、周囲に遊走したマクロファージがHbの最終産物であるヘモジデリンを貪食し、そのヘモジデリンのT2短縮効果により、T2強調像にて辺縁が低信号を示す。

症例 40歳代男性 発症約25日の右被殻出血

chronic cerebral hemorrhage

右被殻にCTで低吸収、一部あわい等吸収あり。MRIではT2WIにて低信号のrimを認めており、内部は高信号、T1WIでも高信号。

亜急性期後期の出血に矛盾しない所見。

慢性期

慢性期(発症1ヶ月以降)の血腫は、マクロファージがヘモジデリンを貪食し、そのヘモジデリンのT2短縮効果により、T2強調像にて辺縁が低信号を示す。

最終的には血腫腔は空洞化し、周囲にヘモジデリン沈着を示すようになる。

症例 60歳代男性  右被殻出血発症時CTと半年後のMRI

brain hemorrhage mri

発症6ヶ月後のMRIでは、左の被殻にT2強調像及びT2スター強調像において縁取るような低信号あり。

慢性期の血腫腔を示唆する所見です。

症例 50歳代男性  右被殻出血後半年

hemorrhageMRI

こちらも発症6ヶ月後のMRIでは、右の被殻にT2強調像及びT2スター強調像において縁取るような低信号あり。

慢性期の血腫腔を示唆する所見です。

症例 50歳代女性 右基底核出血後半年

chronic cerebral hemorrhage MRI findings

右基底核にT2WIで低信号の縁取りを有する高信号あり。

SWIでは低信号になっています。

慢性期の血腫腔を示唆する所見です。

 動画で学ぶ慢性期脳出血のMRI

▶キー画像

intracranialhemorrhagemri

 

関連記事)脳出血のCTにおける経時的変化

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