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門脈圧亢進に伴う側副血行路

  • 門脈圧が上昇すると、門脈に血流が還れなくなり、正常では求肝性の血流の一部が遠肝性となり、側副血行路が形成される。(門脈に帰れないので遠回りしてIVC,SVCに帰る)
  • 原因としては肝硬変が最も多く、その他、特発性門脈圧亢進症、Budd-Chiari症候群、肝外門脈閉塞症など。
  • 遠肝性の側副路の1つである食道・胃静脈瘤などの消化管静脈瘤は、破裂すると出血により命に関わる。
  • 側副路が肝性脳症の発生に大きく関与している事も多い。
  • そのため、側副血行路を評価することは、治療方針決定を含めて極めて重要

正常の門脈血の流れ

  • 門脈圧亢進のない状態だと、下のように、
  • 上腸間膜静脈←食道下部、胃、十二指腸、小腸、上行結腸、横行結腸
  • 下腸間膜静脈←下行結腸、S状結腸、直腸上部
  • 脾静脈←脾臓、胃、膵臓

へと合流し、それらが門脈へと合流する。

normalportal1

遠肝性側副血行路(門脈に帰れないので遠回りしてIVC,SVCに帰る)

  • 噴門部・食道静脈瘤(cardiac and esophageal varices)
  • 胃腎短絡路(gastro-renal shunt:G-R shunt)
  • 脾腎短絡路(spleno-renal shunt:S-R shunt)
  • 傍臍静脈(paraumbilical vein)
  • 直腸周囲静脈瘤
  • 腸間膜静脈瘤
  • 肝内門脈瘤(門脈-肝静脈短路)
  • 精巣・卵巣静脈瘤
噴門部・食道静脈瘤(cardiac and esophageal varices)

cardiac and esophageal varices


胃腎短絡路(gastro-renal shunt:G-R shunt)/脾腎短絡路(spleno-renal shunt:S-R shunt)

gastro-renal shunt

症例 68 歳の男性。C 型肝炎あり,定期的な肝機能チェックを受けていた。最近手指の振戦と失見当識がみられるようになった。

BRTO2006年放射線科診断専門医試験問題42より引用。

胃静脈瘤あり、門脈-静脈短路による肝性脳症が疑われる。BRTOの治療対象となる。

症例 76 歳の男性。C 型肝硬変の経過中に吐血をみとめた。

gastric varix2005年放射線科診断専門医試験問題42より引用。

造影CTで胃の壁に造影される脈管構造あり。胃静脈瘤が疑われる。吐血を認めており、これが破裂したと考えられる。
症例 40歳代の男性。貧血を主訴に来院した。血液検査では中等度の肝機能障害。

G-R shunt2007年放射線科診断専門医試験問題41より引用

胃噴門部付近に内腔に突出する静脈瘤あり。胃冠状静脈及びG-R shuntと考える拡張血管を認めており、肝硬変に伴う門脈圧亢進症による胃静脈瘤形成を疑う所見。BRTO(balloon-occluded retrograde transvenous obliteration)の治療対象となる。
傍臍静脈(paraumbilical vein)

pararectalvein

腸間膜静脈瘤

paraumbilical vein

症例 57 歳の男性。C 型肝炎で通院中に難治性肝性脳症を発症。脾動脈造影の静脈相を示す。

meso-caval shunt2007年放射線科診断専門医試験問題43より引用

脾静脈→下腸間膜静脈→静脈瘤→下大静脈へとシャント形成がされている。(meso-caval shunt)。肝性脳症を引き起こしている原因と考えられる。

症例 50歳代 男性 肝硬変

rectum varix

肝硬変あり。直腸に静脈の発達あり。側副血行路の発達を疑う。

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