脊髄疾患(T2WIで高信号)総論

脊髄がT2WIで高信号のときどういった疾患を鑑別に挙げればいいかいつも悩んでしまいますね。

脊髄がT2WIで高信号を呈する時、

  • 浮腫、脱髄、軟化、グリオーシス、空洞化など

が生じた状態を反映しています。大きく以下の鑑別を挙げます。

脊髄疾患(T2WIで高信号)の鑑別

  • 腫瘍
  • 脊髄空洞症
  • 圧迫性病変による脊髄症
  • 炎症・脱髄・代謝性疾患
  • 脊髄梗塞
  • spinal AVFなどの血管障害

さらに細かくみると、下のマインドマップを参照してください。

脊髄の異常信号

そして脊髄病変へのアプローチとしては次の手順でおおまかに進めましょう。

 

1st:臨床経過に着目
・超急性発症→血管障害
・急性〜亜急性→脱髄・炎症性疾患
・慢性→腫瘍性病変

2nd:分布に着目(横断面の全体に広がっている場合は困難)
・後索(特に楔状束)→亜急性連合性脊髄変性症
・前角〜前根→Guillain-Barre症候群
・神経叢の腫大→慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIPD)

3rd:臨床情報に着目(血液検査所見や他臓器の画像診断)
(例)
・サルコイドーシス→肺門リンパ節腫大、髄液中のACE高値
・傍腫瘍性神経症候群→悪性疾患の存在、各種自己抗体陽性
・水痘・帯状疱疹ウイルス脊髄炎→先行する帯状疱疹や髄液中のウイルス抗体上昇

 

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