激痛ともいわれる尿管結石ですが、痛みをやわらげる方法にはどのようなものがあるかをまとめてみました。
尿管結石に効く痛み止めは?
何と言ってもまずは薬に頼りたいところです。
尿管結石の痛みは、尿管の蠕動によるものもありますが、炎症の関与が人きいといわれています。
王道はボルタレン®坐薬
したがって抗炎症薬が最も効きます。
尿管結石だとわかったらまずNSAIDsの坐薬(ボルタレン®坐薬など)を用います。
通常だと50mgを用いましょう。
体が小さい女性の場合は、25mgなどを使うこともあります。
同じNSAIDsならロキソニンなどの飲み薬でもOKです。
尿管結石の場合、嘔気を伴うこともあり、飲めないことも多いので、医療現場では、ボルタレン坐薬が第一選択となることが多いです。
抗コリン薬は?
ブスコパン®などの抗コリン薬は、尿管の蠕動を抑えて、効果的なのではと思われることもありますが、効果はないと言われています。
麻薬は?
ソセゴン®、ペンタジン®などの麻薬も使われることがありますが、やはり第一選択はボルタレンなどNSAIDSです。
ただ、これらは医療現場でないと用いることができませんので、自宅で痛みを取りたいという場合、手持ちの薬でという場合は、やはりロキソニンやボルタレンが最も効くということになります。
医療現場で使う場合にも、まずボルタレン坐薬を用いて、それでも効果がないときに、使う場合が多いです。
麻薬は手軽に使える薬剤ではないので、入院を前提として使う場合が多いです。
薬以外で尿管結石の痛みを和らげる方法は?
大きく、加温と指圧があります。
(上の写真はあくまでイメージです。)
温める!
背中の痛みのある側を、温めると痛みが和らぐという報告があります(J Urol,170(3):741-744,2003)。
カイロや、お湯で濡らしたタオルなどを痛いところに置いてみるのも効果的かもしれません。
指圧する!
まず痛みのある人にうつぶせになってもらいます。
術者は両手の親指のみを突き出して(親指以外はグーの状態)、痛みのある部位をヘソに向かって斜めに指圧します。
坐薬が効きにくい場合や、痛みの訴えがあまりに強い人には、この方法で指圧をして、実際何人も効きました。
ぜひお試しください。
最後に
尿管結石の痛みを和らげる方法についてまとめました。
大事な前提として、尿管結石と診断されていることが挙げられます。
背中や腰の痛みを伴う疾患は尿管結石以外にも多数ありますので、尿管結石の既往がある場合、尿管結石があるとわかっている場合に、上にあげた方法を試してください。
痛みが強い場合や、引かない場合、尿管結石と診断されていない場合は、まずは医療機関を受診するようにして下さい。
参考文献)ステップビヨンドレジデント 3 外傷・外科診療のツボ編 P195-197