【頭部】症例57 解答編

【頭部】症例57

【症例】50歳代男性
【主訴】右上肢麻痺、呂律困難、傾眠
【現病歴】本日1時間前より、仕事中にやや呂律が回っていなかった。その後呂律困難の増悪、右上肢運動麻痺の出現を認め、当院に飛び込み受診となる。
【生活歴】喫煙 2箱/day、飲酒 350ml×6本/day
【身体所見】JCS 3-10、E3V2M6、傾眠傾向、BP 245/130mmHg、P 84回/分、BT 35.8℃、SpO2 98%(RA)、やや左共同偏視あり。対光反射+/+、神経所見はレベルにムラがあるため正確に判断できない。左上肢、両下肢はMMT4程度は確保できている、右上肢はMMT1-2。

画像はこちら

左の被殻に血腫を認めています。

左被殻出血の所見です。

周囲浮腫性変化や圧排所見、脳ヘルニア所見は認めていません。

保存的に加療されました。

で、●日後のMRI画像を見てみましょう。

左被殻の血腫は、

  • T1WI:高信号(一部内部は等信号)
  • T2WI:ほぼ均一な高信号、周囲浮腫軽度あり。
  • SWI:信号低下あり。

となっています。

これは血腫のどの時期に相当するでしょうか?

亜急性期後期ですね。

T1WIで、メトヘモグロビンを反映して辺縁から高信号となり、徐々に全体が高信号になるのが亜急性期の早期から後期にかけてみられる特徴でした。

この方は発症から14日後に今回のMRIが撮影されています。

 

診断:左被殻出血(亜急性期後期相当)

 

やはり、ひねくれ者か?
いやいや、ちょっとメリハリつけるのは大事ですよ。

 

関連:脳出血(血腫)のMRI画像における経時的変化まとめ!

その他所見:

  • 右視床に低吸収域あり。陳旧性脳梗塞疑い。
  • 橋や、小脳、両側視床、右被殻などに陳旧性多発微小出血の疑い。
  • 左上顎洞に貯留嚢胞あり。
【頭部】症例57の動画解説

 

脳出血のMRI画像の経時的変化(完全版)

その動画がこちらです。

簡易版はyoutubeで公開しています。

youtubeで公開している動画はこちら

完全版はこの講座でのみご覧いただけます。

 

お疲れ様でした。

今日は以上です。

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