
【頭部MRA】症例18
【症例】60歳代女性
画像はこちら
前交通動脈(A-com)より右側に突出する最大径4.7mm大(※皆さんの環境では計測はできません)の嚢状動脈瘤を認めています。
元画像でも同部位に動脈瘤を確認できます。
サイズのある程度ある動脈瘤の場合は、T2WIで無信号域(flow void)として認めることがあるので注意しましょう。
動脈瘤の好発部位の復習をしましょう。
今回は前交通動脈(A-com)の動脈瘤ですので、頻度の高い動脈瘤ということになります。
診断:前交通動脈(A-com)の(嚢状)動脈瘤
【頭部MRA】症例18の動画解説
お疲れ様でした。
今日は以上です。
今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。
ついに異常編が始まりましたね.正常変異も難しかったですが,異常編は見落とすと問題なので気を引き締めて望もうと思います.今回の動脈瘤もMIPのみでは見落としてしまいそうでした.見にくいが好発部位であるといことを意識して読影しようと思います.
アウトプットありがとうございます。
>見にくいが好発部位であるといことを意識して読影しようと思います.
そうですね。
>異常編は見落とすと問題なので気を引き締めて望もうと思います.
サイズの大きな動脈瘤をスルーすると問題となることがありますね。
異常編の正常変異もあれば確認よろしくお願いします。
異常の検出とともに、意識付けのためにも引き続き正常変異を指摘できるよう取り組みます。
アウトプットありがとうございます。
そうですね。
異常編と言いつつ、いきなり正常が来たりするかもしれませんよ(^Д^)(撹乱作戦)。
最初はマイルドでしたがどんどん難しくなるでしょうからしっかりついていけるよう頑張ります。
アウトプットありがとうございます。
>どんどん難しくなるでしょうから
いえいえ、そんな小さな動脈瘤を見つけよ!みたいな症例はありませんのでご安心ください(^_^;
好発部位をチェックして、まれな部位(ACAの遠位やPICAなど)も見逃さないようにしたいです。
アウトプットありがとうございます。
ですね。
縦回転、横回転、MRA元画像、T2WIも含めチェックが必要です。
右A1の低形成と今回の動脈瘤の因果関係は特にないですか?あれば読影する上でヒントになってくれると思ったのですが。
アウトプットありがとうございます。
低形成とは因果関係は聞いたことがないですが、調べてみるとこんな記載がありました。
https://ameblo.jp/nou-sah/entry-12399810804.html
「異常所見は?」という設問があってしかもMRA画像だから、そういう目線で画像を見ることができましたが、単なるフォローアップ撮影とかT1WI,T2WI,DWI,FLAIRぐらいの情報しかなかったら見落としそうです。。。気を引き締めていこうと思います!
アウトプットありがとうございます。
>単なるフォローアップ撮影とかT1WI,T2WI,DWI,FLAIRぐらいの情報しかなかったら見落としそうです。。。気を引き締めていこうと思います!
ですね。動脈瘤は怖いです。
1mmとかのサイズの小さいのはむしろ拾う必要がないと個人的には思います(本人の不安が増すだけなので)が、サイズの大きなものの見落としは後々問題になる事例を見たことがあります。
特にサイズが大きい場合は瘤内で血流が乱流となっており、MIP像では薄くしか描出されないことがあるので注意が必要ですね。そのような見落としが問題となった事例も見たことがあります。
明日は我が身と気を引き締めましょう。(自分に言い聞かせてます。)
Acomの動脈瘤、ちょっと見逃しそうでした(^_^;)
特に、RLに振っているMIPは脳底動脈やPCAと重なってわかりにくいですね。
撮影しながら見逃さないことはもちろんですが、改めて先生方にわかりやすいように(角度をつけてMIPを出したり、1slabの追加やVRの提供など)画像を提供することが大切だなと思いました。
アウトプットありがとうございます。
そうですね。
施設によっては前方循環系、後方循環系、内頸動脈と分けてMIPを作ってくれるところもありますね。
読影する枚数は増えますが、動脈瘤見落としを防ぐにはよいと思います。
本日も大変勉強になりました。瘤を蛇行しているのかと思い指摘はかないませんでした。T2WIはBPASの様に内腔の状況に左右されず外観をとらえることが出来ると認識しました。
アウトプットありがとうございます。
>T2WIはBPASの様に内腔の状況に左右されず外観をとらえることが出来ると認識しました。
ではないです。血管のT2WI低信号部分はflow voidを反映しますが、血管が狭窄したり、閉塞するとT2WIでの低信号が消失します。
本来見えるべき皮質動脈のT2WI低信号部分が見えない→狭窄や閉塞を示唆
本来見えるべき皮質動脈のT2WI低信号部分が膨隆している→動脈瘤を示唆
このほかにも、症例14で見たような動静脈奇形のnidusなどの異常血管のflow voidを低信号として認識することができたり、腫瘍がある際に血管に富むのかどうかの判断にも使えます。
今回から異常所見編、はじめは全く見えませんでしたが、脳動脈瘤の好発部位を頭に入れて見ると発見できました。気をひきしめて頑張ります!
アウトプットありがとうございます。
これまでの正常変異編とは見るべきポイントが少し異なるので、おっしゃるように好発部位を頭に入れて除外していく形で注意深く観察してください。
いつもありがとうございます!
指摘し始めたらキリがないと思うのですが、
・右前交通動脈の低形成
・左後大脳動脈の窓形成(MIPの4/40枚目でそう思いました)
はありますでしょうか?
アウトプットありがとうございます。
>・右前交通動脈の低形成
右前大脳動脈A1の低形成ですね。
>・左後大脳動脈の窓形成(MIPの4/40枚目でそう思いました)
左後大脳動脈には窓形成はなさそうです。窓形成の場合は複数のスライスで見えるのが通常ですね。