
【頭部MRA】症例11
【症例】70歳代男性
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どんな血管の正常変異がありますか?
前大脳動脈のA2が太く、1本しかありません。
これは、奇前大脳動脈と呼ばれる正常変異です。
診断:奇前大脳動脈
一つ参考症例を見てみましょう。
症例 70歳代男性
こちらも太いA2が存在します。
しかし、細いA2も存在していることが分かります。
このタイプを両側半球前大脳動脈と言います。
診断:両側半球前大脳動脈
A2は1本のことも3本のことも、2本だけど1本が優位に太いということもあるということです。
関連:
【頭部MRA】症例11の動画解説
お疲れ様でした。
今日は以上です。
今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。
前回の解説に書いてくださっていたおかげで名前まで記載できました。昨日は『カブトムシみたいだな』と思って見ていたのですが、実際見てみると印象に残りますね。ありがとうございました。
アウトプットありがとうございます。
>昨日は『カブトムシみたいだな』と思って見ていた
確かに!!!私も何かに見えていたのですが、確かにカブトムシですね。
前症例のおかげで正しく指摘できました。
それとお二方のやりとりを見てからカブトムシにしか見えなくなりました。
アウトプットありがとうございます。
破格・正常変異はそんなにたくさんありませんのが、全部覚えるわけにもいかないので、こんなのもあると一度体験しておくのがよいですね。
「奇前大脳動脈」と「両側半球前大脳動脈」とで悩みましたが、参考例を出して頂いて違いがわかりました。
アウトプットありがとうございます。
違いがお分かりいただけて良かったです。
確かにカブトムシにしか見えなくなりました.
A1の角度、そこから続くA2、まさにカブトムシですね(^o^)
こんばんは!今日もお世話になりました!
カブトムシみたいだなと思ったらすでに指摘されている方がいらっしゃいましたね…。正常変異を探すのは虫探しをしているようで楽しいですね!
アウトプットありがとうございます。
夏休みも後半戦!
虫探しにもう少しお付き合いください(^▽^)
狭窄しているPCAは元画像ではどのあたりで確認できるのか教えて頂けないでしょうか
アウトプットありがとうございます。
症例11の左のPCAということでよいでしょうか?
それでしたら、上方向に分岐する血管が細いので77/120あたりが相当する部位だと思われます。
こんばんは。豊富な症例と丁寧な解説、とても助かっております。左のAICAが見えないので低形成なのかと思ったのですがいかがでしょうか?
アウトプットありがとうございます。
>左のAICAが見えないので低形成なのかと思ったのですがいかがでしょうか?
おっしゃるとおりですね。
右のPICAもはっきりしませんね。
AICA、PICAは相補的でしばしば片一方がはっきりしないことがありますね。
症例の元画像67/120あたりで小さなACAのような分枝がみえるので、azygos ACAではなく、hemispheric ACAかと思ったんですが、いかがでしょうか?前頭葉底部のみを灌流する小さな動脈はACAではないのでしょうか?
日常の読影の際もazygosとhemisphericのどちらかわからないものがあり、どのように指摘(記載)したらいいかわかりません。臨床的意義もないように思いますが、ごろ~先生はいかがされていますか?
アウトプットありがとうございます。
>症例の元画像67/120あたりで小さなACAのような分枝がみえるので、
確かにありますね。おっしゃるように前頭葉底部を栄養している細かな血管でACAから分岐していることは間違いないのですが、A2以降を形成しているわけではないですね。
今回はA2以降はやはり1本なので、azygosでよいと考えます。
>日常の読影の際もazygosとhemisphericのどちらかわからないものがあり、どのように指摘(記載)したらいいかわかりません。臨床的意義もないように思いますが、ごろ~先生はいかがされていますか?
MIP像では見えないような細かな正常変異はおっしゃるように臨床的意義に乏しいので、記載しなくてもよいかと思います。動脈瘤は別ですが。
そもそも今扱っている正常変異シリーズもそれほど臨床的意義があるわけではありません。
今回のazygos ACAは脳梗塞を起こすと両側ACAが脳梗塞に陥るという意味では意義はあるのかもしれませんが。
動脈瘤など指摘しなければならないシリーズへの準備体操程度に考えてください。