
症例50
【症例】70歳代女性
【主訴】特になし
【現病歴】肝硬変の精査で他院より紹介。
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肝硬変による門脈圧の亢進による側副血行路の症例3症例目(全5症例)です。
肝は辺縁鈍で凹凸不整、肝左葉の肥大を認めています。肝硬変の状態です。
今回の側副血行路はどこでしょうか?
脾臓の前後周囲に蛇行する側副血行路の発達を認めています。
血管を追うと左の腎静脈に合流しているおり、その後下大静脈に還流している様子がわかります。
つまり、脾腎シャントを形成していることがわかります。
診断:脾腎シャント
今回の側副血行路の状態をシェーマで示すと以下のようになります。
脾静脈から脾腎シャント、腎静脈を経て大循環系である下大静脈へと還っていく側副路が形成されています。
その他所見:微小肝嚢胞散見。
門脈圧亢進に伴う側副血行路の解説動画
主に見られる側副血行路の解説をしています。
お疲れ様でした。
今日は以上です。
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脾臓、左腎背側の、血管は指摘できましたが、
左の腎静脈に合流していることを指摘できませんでした。
こういうシャントができることを、知らないと何が起こっているのかわかりませんでした
次回が楽しみです。
>こういうシャントができることを、知らないと何が起こっているのかわかりませんでした
ですよね。
頻度の高い側副路は覚えておきましょう。
以前の胃腎短絡、今回の脾腎短絡ともに、冠状断で確認すると腎静脈への流入が確認しやすいと思いました。
アウトプットありがとうございます。
>冠状断で確認すると腎静脈への流入が確認しやすい
おっしゃるとおりですね。
ここの短路は横断像よりも冠状断像がわかりやすいですね。
腎静脈へのつながりをつけられず、胃静脈かと勝手に思ってしました。こういうのは時間かけてみないといけないですね。反省です。
そうですね。丁寧に血管を追う必要がありますね。途中で追えなくなることもしばしばありますが(;゚ロ゚)
胃腎シャントの反省もあり、静脈がどうすれば心臓に帰れるかを意識して観察できました。
それはよかったです!!
個人的に門脈圧亢進と言えばまず脾臓が浮かぶので、ようやく来たか、という感じですw
脾腎シャントも追うことができてよかったです(^▽^)/
アウトプットありがとうございます。
>個人的に門脈圧亢進と言えばまず脾臓が浮かぶので、ようやく来たか、という感じですw
脾腎シャントも追うことができてよかったです(^▽^)/
無事同定されたようでよかったです。
何を思ったか動脈相で恐らく肝動脈を、血管形成された求肝性の側副血行路としてしまいました。丁寧に血管を追わなければと反省です。この方は門脈圧亢進に伴い脾臓が腫大していると言えるのでしょうか。よろしくお願いいたします。
アウトプットありがとうございます。
>この方は門脈圧亢進に伴い脾臓が腫大していると言えるのでしょうか。
そうですね。分葉構造が目立ちますが、脾腫はありですね。