
症例29
【症例】70歳代女性 胸部スクリーニング
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胃内の高吸収は何?
胃内に楕円形の高吸収域を認めており、その周囲には淡い高吸収の分葉状構造を認めています。
この高吸収の正体はなにでしょうか?
出血でしょうか?
ではなく内服した錠剤およびその一部溶解している状態です。
今回も日常診療でよく見られる所見ですね。
腹部CTは通常絶食で検査を受けます(関連:症例13)ので今回のように、食事を摂ってさらに錠剤が見られるケースは、主に胸部CTを撮影した際に見られることが多いです。
診断:内服した錠剤
より錠剤であることがわかる症例を見てみましょう。
先ほどの症例よりも、錠剤の形がほぼそのまま残っていることがわかりますね。
これならば迷うことなく錠剤!とわかりますが、今回の症例のように錠剤が溶けているものを血腫などと間違えないようにしましょう。
その他所見:
- 冠動脈石灰化あり。
- 肝嚢胞あり。
お疲れ様でした。
今日は以上です。
今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。
胃石としました(;’∀’)
たしかに、周りがふわふわ~っとしていて、
いかにも「溶解」していそうな所見ですね(^▽^)/
そうなんです。
もっと溶解しているものもたくさんありますので、ぜひその目で見てください。
ちょっと硬いところの残ったお餅かと思ってしまいました。淡い部分はどろどろになったお餅かなぁなんて想像したりして。。。
薬剤だったのですね。
お餅も高吸収になりますね。
頻度からすると内服薬が圧倒的に多いのですが、紛らわしい場合は問診ですね。
腸閉塞を来しているなどでないと、鑑別する意味はあまりないかもしれませんが(^_^;)
単純に薬剤しか思い浮かばなかったのですが、他に考えられるとすれば
何があるでしょうか?
ほとんどの場合は薬剤で良いと思いますが、お餅などの高吸収な食物も鑑別には挙がるかと思います。
高吸収が形を成していないときに薬剤だろうと言えることが大事ですね。
薬剤が溶解した画像を何回かespressoで見ることができたので何となく怪しいなと思うことができてよかったです。
アウトプットありがとうございます。
それはよかったです(^o^)
なんの薬によって見られやすいとかもあるんでしょうかね.
アウトプットありがとうございます。
症例jでやったように薬による違いもありそうですね。
粉末タイプだと目立たないのでしょうか?
粉末ですと基本的にCTで捉えるのは厳しいかと考えます。
これも一度見ていれば難しくないですね。
CTでの絶食の重要性がわかります(^▽^)/
そうですね。かなり見る頻度は高い所見ですね。
解説中に腹部CTは絶食とありますが、間違って食事をしてしまった場合、どの程度時間を開けて検査をすればよろしいでしょうか?
また、症例13で胆嚢が食後で潰れているいますが、食後何時間で胆嚢の膨らみが回復しますか?
アウトプットありがとうございます。
食事をしてしまった場合は、3時間くらい空けたいところですが、実際はそのまま撮影することもありますね。
食後何時間で胆嚢が膨らむのかは・・・・・
こちらでは、和食の場合、
食後 30 分で平均 68.9%まで収縮した後、
・1.5 時間で 77.9%、
・2.5 時間で 72.6%、
・3.5 時間で 75.8%、
・4.5 時間で 80.1%
まで再拡張した。
と報告があります。
https://redcross.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=12369&item_no=1&page_id=13&block_id=17
出血ハイリスクの腹痛精査の単純ctで、この症例で言うところの淡い高吸収の分葉状構造のみ観察(内服後ではあったけど、錠剤の影は無し)された事があります。
出血か否か凄く迷いました、、、
アウトプットありがとうございます。
出血ハイリスクで錠剤なしならば迷うこともあるかもしれませんね。
問診が大事ですね。
正解できませんでしたが、すごく面白いです!
アウトプットありがとうございます。
楽しんでいただけて良かったです!
内服した錠剤にはどんなものがありますか?
アウトプットありがとうございます。
今回は具体的に何の錠剤なのかはわかりません。
時節柄、てっきり餅かと思いましたが、薬でも高吸収域になるのですね。
大変、勉強になりました。
アウトプットありがとうございます。
餅も高吸収になりますね。
今年も高齢者が餅を詰まらせ・・・というニュースがありましたね。
薬剤の場合は、錠剤がそのままの形で見えることもありますし、溶けてモヤモヤして見えることもあります。