【腹部TIPS】症例29 解答編

症例29

【症例】70歳代女性 胸部スクリーニング

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胃内の高吸収は何?

胃内に楕円形の高吸収域を認めており、その周囲には淡い高吸収の分葉状構造を認めています。

この高吸収の正体はなにでしょうか?

出血でしょうか?

 

ではなく内服した錠剤およびその一部溶解している状態です。

今回も日常診療でよく見られる所見ですね。

腹部CTは通常絶食で検査を受けます(関連:症例13)ので今回のように、食事を摂ってさらに錠剤が見られるケースは、主に胸部CTを撮影した際に見られることが多いです。

診断:内服した錠剤

より錠剤であることがわかる症例を見てみましょう。

先ほどの症例よりも、錠剤の形がほぼそのまま残っていることがわかりますね。

これならば迷うことなく錠剤!とわかりますが、今回の症例のように錠剤が溶けているものを血腫などと間違えないようにしましょう。

 

その他所見:

  • 冠動脈石灰化あり。
  • 肝嚢胞あり。

お疲れ様でした。

今日は以上です。

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