
症例8
【症例】80歳代 女性 スクリーニング
画像はこちら
腹部で体内と体外を交通している構造物はなに?
今回は簡単ですね。
体内と体外を交通している管状の構造物を認めています。
体内では胃の中にあることがわかります。
胃瘻(PEG=Percutaneous Endoscopic Gastrostomy : 経皮内視鏡的胃瘻造設術)ですね。
食事が摂れない方や食べてもむせて誤嚥性肺炎を起こしやすい方に、外から直接胃に栄養を入れるための管となります。
診断:胃瘻(PEG)
その他膀胱結石を認めています。
一見結石ぽくはないですが、造影剤など使われた既往がなく結石であることがわかります。
その他所見:
- 右胸膜石灰化あり。
- 心拡大あり。
- 肝嚢胞あり。
- 腎嚢胞あり。
- 右腎結石あり。
- 子宮筋腫の疑い。
- 動脈硬化あり。
お疲れ様でした。
今日は以上です。
今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。
PEGの交換って、実はやったことがありません( ̄▽ ̄;)
結構看護師さんがやってくれるんですかね(^-^;
若いうちにやっておきたいですけど、
「PEGの交換やらせてください!( `ー´)ノ」
って言ったときの病棟の反応を想像すると恐ろしくて(冷蔵庫の中みたいになりそうです)、
ずるずると過ごしています( ̄▽ ̄;)
アウトプットありがとうございます。
私も内視鏡下で新にPEGを作成したり、別の種類に交換したりに付き添ったくらいしか経験がありません。
>って言ったときの病棟の反応を想像すると恐ろしくて
いやいや、PEG交換マニュアルを音読しながらやってみてください。
横から失礼します。
この胃瘻カテーテルはバンパー型(胃の中にあるストッパーの種類)というもので、経尿道膀胱バルーンカテーテルと違って、そんなにしょっちゅう交換するものじゃないんです。6ヶ月ごとが一般的です。
交換は出血を伴う手技で医師がやるものです。
腹腔内への迷入のリスクがあるので、基本入院下でやっていますが、外来でもできますので、消化器内科外来でやられているかもしれませんね。
消化器内科の先生に、見学、練習させて欲しいとお願いしてみてはいかがでしょうか。
補足いただきありがとうございます。
パッと見てあれだと思ったのですが
名前を忘れて
調べて書き込みました(泣)
復習になりました。
ありがとうございます。
アウトプットありがとうございます。
ど忘れすることありますよね。
今回はよく見る所見でしたね。
意外とCTで見たことない気がします.バルーンの見え方が特徴的ですね.
需要があってよかったです。
こういったチューブ類もいろいろあるので、簡単であっても押さえていくことは大事ですね。
これは、バルーンではありません。おそらく、これです
http://www.peg.or.jp/lecture/peg/product/cov_button2/index.html
コメントありがとうございます。
おっしゃるようにバルーンではなくそちらですね。
一般撮影する事はあるのですが、CTだとこんな風に見えるのですね。ありがとうございました。
そうですね。
輪切りにするとこのように胃と外部を繋ぐ様子がよくわかりますね!
筋肉の発達に左右差があるような気がするのですが、脳梗塞後などでしょうか?
脳梗塞⇒胃婁 のストーリーを想像してしまいました。
調べてみました。
左中大脳動脈領域に広範な脳梗塞の既往があり、右重度片麻痺がありました。
が、左脛腓骨骨折があり入院中でした。
ですので、両側筋萎縮が起こりえますね。
今回それほど左右差は目立たないのかなと思いましたが、大腿部は確かに右で萎縮を認めていますね。
高齢で痩せている方のCT画像って、結構読むの難しいな、と思います。
軽度の変化も多いですし、構造物も密集していますよね(;’∀’)
認知とかも入ってくると症状の訴え自体も難しくなりそうですし(;´Д`)
そうですね。
高齢者に限らず若い女性などでも痩せていてコントラストがつきにくく、虫垂がどれかわからないということもたまにあります。
やはりガリガリよりは、少しは脂肪があったほうがいろんな意味でいいのでしょうかね。
お世話になっています。
2点、質問があります。
・この症例では、上行大動脈の拡張はありますでしょうか? 診断の基準として、45mm以上または、下行結腸径の1.5倍を上行大動脈拡張(瘤)としてよいのでしょうか?
・腎結石と腎動脈の石灰化の判断に迷うときがあります。鑑別はどのように行えばよいのでしょうか? 丁寧に腎動脈を追うしかないのでしょうか?
>上行大動脈の拡張はあります
測定したところ44mmでしたので、記載してもよいと思います。
>丁寧に腎動脈を追うしかないのでしょうか?
そうですね。丁寧に追うしかないと思いますが、鑑別ができないことも実際はしばしばあります。
すいません、訂正します。
下行結腸の1.5倍→胸部下行大動脈の1.5倍です。
答えはすぐ分かったのですが、タイプを間違えました。丸いものが見えたので風船型と思ったのですが・・。丁寧に観察することを心がけないといけませんね。
アウトプットありがとうございます。
PEGのタイプは何か?までは結構高度ですね。
まずはPEGと分かれば問題ありません。
PEGの交換を透視室で行うこともあるので、今回の問題はすぐに分かりました。
他にもいろいろな所見があるようですが、高齢者の方の画像はホントに読みにくいと思います。
アウトプットありがとうございます。
そうですね。高齢者や内臓脂肪の少ない方は見えにくいですね。
また気づきました。何気ない比較的容易な質問で観察者に問いかけ、回答はもちろん、医学的な所見(読影結果)を一緒に答えられる人は答えてくださいというスタンス。そこに正解不正解を求めない、観察者に興味を持たせて考えさせる。すごいです。
回答に右胸膜石灰化あり。心拡大あり。肝嚢胞あり。腎嚢胞あり。右腎結石あり。子宮筋腫の疑い。動脈硬化あり。併記してあることで所見が拾えたかどうか考えることができ、2倍楽しめます。
コメントありがとうございます。
実際はあまり深くは考えていないですが、皆さんのコメントにより、1つのコンテンツで学べることが膨らんで行っている感じはありますね(^^)
>併記してあることで所見が拾えたかどうか考えることができ、2倍楽しめます。
さらに楽しむ方法として、「こんな所見もありますがどうでしょうか?」とまだ記載していない所見を見つけるというものもあります。
メインの題材にしたい所見から症例を見つけていますので思わぬ副所見を皆さんが見つけてくださることはよくあります。
すみません。この患者さんに解離の所見はないでしょうか
アウトプットありがとうございます。
動脈硬化は非常に目立ち、大動脈の蛇行も目立ちますが、解離を疑う所見は認めないと考えます。
お世話になっております。
一点質問させて下さい。
右房に接する縦隔内?の構造物はなんでしょうか。
右房との境界が不明瞭なので、右房そのものかと考えましたが、、、
よろしくお願い致します。
アウトプットありがとうございます。
右房そのものですね。かなり拡張しています。
直腸が便で拡張しており、やや高吸収な内容物になっていると思うのですが、便秘ということでよろしいでしょうか?それとも普通の人でもああなりますか?基本的な質問ですいません、、
アウトプットありがとうございます。
>直腸が便で拡張しており、やや高吸収な内容物になっていると思うのですが、便秘ということでよろしいでしょうか?
そうですね。結構な便秘がありますね。
21~27の乳房外側らへんにあるガスは皮下気腫でしょうか?それとも正常な所見でしょうか。
アウトプットありがとうございます。
27 / 125辺りを見ると皮膚がたるんでいるように見えますね。その影響かもしれませんが、おっしゃるように皮下気腫かもしれません。
コメント失礼します。
腎臓がある辺りのレベルの椎体が歪な形をしているように感じますが、これは椎体の圧迫骨折か何かの所見でしょうか?
お忙しいところ恐縮ですが、ご教授いただけますと幸いです。
アウトプットありがとうございます。
>これは椎体の圧迫骨折か何かの所見でしょうか?
椎体に変性や側弯があるのだと思われますが、横断像のみでは判断は難しいですね。
矢状断像や冠状断像をcheckしたいところですね。
PEGかなと思って、胃であるか確かめるために食道から追ったのですが途中でどこだか分からなくなってしまい、胃にしては尾側過ぎるかなと思ってしまいました……。
アウトプットありがとうございます。
ちょっと読影するには少し条件の悪い方ですが、胃から十二指腸と追うことができます。
胃下垂があることもありますし、胃は結構尾側まで存在することはしばしばあります。
pegはすぐにわかりましたが
SVCの拡大が、なかなか見ないほど膨張していたので
そちらに目がいってしまいました汗
アウトプットありがとうございます。
SVCというより右房ですね。確かに拡張しています。
いつもありがとうございます!痩せなどで腹腔内の臓器が密集していると胃や腸を辿るのが苦手なのですが、コツはありますか?
アウトプットありがとうございます。
痩せがあると追いにくいですね。
また小腸は拡張などがないと基本的に追えません。
上部:食道〜十二指腸
下部:直腸〜回腸末端
までは通常同定することができますので、条件の良い人でまずは練習をしてみてください。
いつもためになる症例ありがとうございます。
胃瘻を良くペグ(PEG)と言いますが、このEは内視鏡的(Endscopic)という意味で、胃瘻の全てが内視鏡的に留置されているわけではありません。腫瘍などによりスコープが通過できない場合はX線透視下(場合にによってはCT透視下)で留置する場合もあります。この場合はPGと言います。この画像の患者が内視鏡的に留置されていれば、胃瘻=PEGですが、それでなければPGになります。(ペグで意味は通じると思いますが)なので、私はペグとか言わずにそのまま『胃瘻』って呼んでます。
細かいことでしたが、コメントしました。
以下はご参考までに(少し古いですが)
https://www.jsir.or.jp/docs/member/hinto/s21ikou/s25.pdf
アウトプットありがとうございます。
>腫瘍などによりスコープが通過できない場合はX線透視下(場合にによってはCT透視下)で留置する場合もあります。この場合はPGと言います。
補足ありがとうございます。
何でもかんでもPEGと言わない方がいいということですね。
非常に勉強になりました。ありがとうございます。
毎症例勉強になります。ありがとうございます。
横から小児科的視点でも失礼します。小児科領域でも体格的に内視鏡的胃瘻増設は困難症例が多く小開腹(施設によっては腹腔鏡併用)手術で造設するため、小児科では単に「胃瘻」ということが多いです。PEGの場合にも小児では鎮静と呼吸管理の目的に、全身麻酔下に手術室で行うことが多いように思います。乳幼児期に造設後、成長に伴って胃瘻の位置を変えて作り直してもらうこともよくあります。
アウトプットありがとうございます。
別の方もおっしゃっているようにPEGと胃瘻は同じものではないということですね。
また小児科的視点での補足ありがとうございます。