腸・閉・塞ブートキャンプ 症例2

症例2

【症例】 80歳代女性
【主訴】 腹痛
【現病歴】12時間前より臍周囲に間欠痛あり、訪問看護師がGE施行するも腹痛改善せず、 かかりつけ当科に連絡のうえ救急科受診。
【既往歴】 子宮体癌にて広汎子宮全摘術
【身体所見】意織清明、BT 36.7°C、P 73bpm、BP 162/90mmHg、腹部平坦、軟右下腹部に圧痛を認める、反跳痛なし。
【データ】WBC 11600、CRP 0.06

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小腸の軽度拡張、液貯留、一部ニボー像を認めています。

閉塞機転はありますでしょうか?

系統的読影法(詳細は下の動画を見てください。)ではSTEP5である、閉塞機転を示唆する所見を探すというところで引っかけることができます。

small bowel feces sign(小腸内糞便サイン)を認めており、その先に閉塞機転があることを示唆する所見でした。

同部は腸管拡張が目立ち、周囲に脂肪織濃度上昇を認めています。

実際、このサインの先には閉塞機転があることが確認できます。

手術歴もあり、癒着による腸閉塞が疑われます。

 

診断:(癒着による)小腸閉塞(機械性単純性腸閉塞)

 

その他の所見:

  • 食道裂孔ヘルニアあり。
  • 右腎萎縮あり。
  • 両側腎外腎盂の疑い。
  • 腰椎に変形性脊椎症あり。
症例2の動画解説

消化管拡張の系統的読影法


お疲れ様でした。

今日は以上です。

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