
【症例】30歳代 女性
【主訴】自転車で転倒
【現病歴】3日前に自転車で転倒し、受傷。近医で処置を受けた。本日当院紹介となる。
【既往歴】なし
画像はこちら。
鼻骨両側の骨折線および軽度内側に陥没を認めています。
鞍鼻型(frontal type)の鼻骨骨折を疑う所見です。
水色の矢印は骨折ではなく、鼻骨上顎縫合なので注意しましょう。
診断:鼻骨骨折(鞍鼻型)
※形成外科受診とあり整復が行われ、その後2週間後フォローされ、問題なく終診となっています。
一つ補足症例を見てみましょう。
こちらの鼻骨上顎縫合が両側見えますが、そのやや尾側で右側に骨の内側への転位を認めており、こちらは鼻骨上顎縫合ではなく骨折線であることがわかります。
鼻骨骨折の際にこの鼻骨上顎縫合が少し離開することもありますので注意が必要です。
ちなみにこちらの補足症例は、鼻骨骨折の中でも斜鼻型となりますね。
関連:
【顔面】症例1の動画解説
顔面骨骨折総論 動画解説
お疲れ様でした。
今日は以上です。
今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。
最もメジャーな鼻骨骨折からですね
鼻骨骨折は骨折も小さいのでわかりにくいことも多いですよね。勉強になりました。
アウトプットありがとうございます。
そうですね。救急外来でもよく見る顔面骨折です。
>鼻骨骨折は骨折も小さいのでわかりにくいことも多いですよね。勉強になりました。
鼻骨上顎縫合と紛らわしいことや、ちょっとの変形だとわかりにくいこともありますが、明らかに骨折していたり、転位している場合は整復が必要なことがあるので鼻骨骨折といえ注意が必要ですね。
久しぶりで楽しかったです。昔はレントゲンのみでCTを撮る機会はいまより少なくwaters法や側面像で見落しも多かったと思います。とはいえCTでも迷うときがありますね。ありがとうございました。
アウトプットありがとうございます。
>昔はレントゲンのみでCTを撮る機会はいまより少なくwaters法や側面像で見落しも多かったと思います。
レントゲンのみのときは知らないのですが、レントゲンですと診断は相当難しかったでしょうね。
>とはいえCTでも迷うときがありますね。
ですね。骨折線がはっきりしない場合やもともと?少し変形しているような場合はわかりにくいですね。
鼻骨の変形は陳旧性のものを良く見かけます。周囲の血腫(腫れ)と組み合わせて所見としています。
アウトプットありがとうございます。
陳旧性のものも確かによく見かけますね。
>周囲の血腫(腫れ)と組み合わせて
新しいものなのか陳旧性のものなのかの判断材料に使えますね。
普段注視することがないので、こうやって見ると正常縫合などにいちいち反応してしまいます。貴重な経験になり大変ありがたいです。
アウトプットありがとうございます。
この縫合が離開することもあるので、悩ましいこともあります。