
症例70
【症例】60歳代 男性
とある所見でフォローされている。診断は?
画像はこちら
CT
MRI
まずはCTから見てみましょう。
脾臓に分葉状の低吸収域を認めています。
肝嚢胞を認めていますがそれとほぼ同程度な低吸収です。
内部には隔壁様構造を認めているように見えます。
次にMRIを見てみましょう。
T2WIでは内部高信号で、多房性の嚢胞で隔壁構造を認めている様子がCTよりもわかりやすいですね。
脾リンパ管腫を疑う所見です。
診断:脾リンパ管腫疑い
その他所見:
- 肝嚢胞あり。
- 胆嚢底部壁肥厚あり。胆のう腺筋腫疑い。
お疲れ様でした。
今日は以上です。
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「とある所見でフォロー」シリーズは、日頃の系統的読影が試されている気がします。
胆嚢壁肥厚も記載しようと思いましたが、T2WでRokistansky-Aschoff洞が確認できたので、良性(胆嚢腺筋腫)と判断しました。
アウトプットありがとうございます。
>日頃の系統的読影が試されている気がします。
定期更新とはいきませんが、是非お役立てください。
>胆嚢壁肥厚も記載しようと思いましたが、T2WでRokistansky-Aschoff洞が確認できたので、良性(胆嚢腺筋腫)と判断しました。
あの程度の壁肥厚は、胆のう腺筋腫であることがほとんどですね。
脾嚢胞と脾リンパ管種の鑑別で迷う時がありますがいかがでしょうか
アウトプットありがとうございます。
単房性で単発の場合は、鑑別は難しいと思います。
今回のように多房性で被膜下に存在する場合は典型的なリンパ管腫です。
小腸のループ様が気になるのですが、正常でしょうか?
アウトプットありがとうございます。
正常範囲です。
closed loopなどを形成しているわけではありません。
いつも大変貴重な症例をありがとうございます。
解答とURLがとても分かりやすかったです。
造影CT横断像21-23/81の膵尾部に散見される低吸収結節は何なのでしょうか?T2WIでも判然としませんが、膵嚢胞(主膵管との交通も明らかでない)なのでしょうか?
アウトプットありがとうございます。
>造影CT横断像21-23/81の膵尾部に散見される低吸収結節は何なのでしょうか?T2WIでも判然としませんが、膵嚢胞(主膵管との交通も明らかでない)なのでしょうか?
小さな嚢胞か脂肪変性(迷入)かと言ったところですが、MRIのT2WIでは嚢胞の高信号ではないので脂肪なのだと思われます。
フィードバックありがとうございます。
症例65で膵臓の脂肪関連を教えて頂いたのに、まだまだ鍛錬が足りないようですotz
膵臓の脂肪変性や置換の過程や脂肪腫を鑑別するのはあまり臨床的意義に乏しいとも教えて頂きましたが、外部(依頼医や臨床医など)から問い合わせがあった場合に備え、ある程度答えられるよう頑張ります。